金沢市は、現代建築レガシー継承事業で、玉川図書館の改修計画を谷口建築設計研究所(東京都)、鈴木大拙館の改修にかかる実施設計を同研究所、金沢21世紀美術館の建物調査をSANAA(同)のそれぞれ設計者に随意契約で委託した。
同事業は、著名建築家が設計した国内外から評価の高い現代建築を後世に継承していくため、建物の建築的な価値に配慮した施設改修を行っていこうというもの。
玉川図書館(玉川町)は谷口吉郎、吉生親子唯一の合作で、赤レンガの建物改修を吉郎氏、本館新築を吉生氏が手掛けた。1978(昭和53)年の完成後、大規模な改修は行われておらず、建築的な価値に配慮した改修を実施する。来年度以降に基本・実施設計、着工を目指す。
鈴木大拙館(本多町3丁目)は、谷口吉生氏が設計を手掛け、2011(平成23)年に開館。以来、想定を超える来館者で施設の劣化が進行しており、建築的な価値を持つ意匠を損なわないよう改修を行う。来年度の着工を予定する。
21世紀美術館(広坂1丁目)は、妹島和世氏と西沢立衛氏によるSANAAが設計し、2004(平成16)年に開館。多くの来館者で施設の劣化が見受けられ、良好な状態を維持するため、建物の現状調査を行い、中期修繕計画を策定する。着工時期は未定。