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建通新聞社(神奈川)
2022/09/26

【神奈川】横浜市 地球温暖化対策実行計画を改定へ

 横浜市温暖化対策統括本部は、2023年1月に「横浜市地球温暖化対策実行計画」を改定する。新たな取り組みとして、横浜臨海部で脱炭素イノベーションの創出とカーボンニュートラルポートの形成を盛り込んだ。都心部でみなとみらい21地区脱炭素先行地域の活動を推進し、郊外部では、国際園芸博覧会(花博)の開催などを通じて持続可能な都市モデルを創出するなど脱炭素に対応したまちづくりを進める。脱炭素ライフスタイルを浸透させるため、再生可能エネルギー電気への切り替え促進、脱炭素ライフスタイルイノベーションなどによる市民の行動変容を促す。
 9月20日に改定素案のパブリックコメントの手続きを開始した。計画期間は22〜30年度の9年間。
 今回の改定では、脱炭素社会の実現に向けた50年の横浜の将来像を「Zero Carbon Yokohama〜2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロを達成し、持続可能な大都市を実現する〜」に変更し、30年度の温室効果ガス排出量を13年度比50%削減する目標を設定した。
 
〜脱炭素のまちづくりを推進〜

 改定計画では30年度、50年の目標達成に向けた七つの「基本方針」とそれを推進するため五つの「重点取組」を掲げた。
 基本方針のうち新たな取り組みを中心に見ると、「環境と経済の好循環の創出」では、カーボンニュートラルポート形成や、民間事業者や川崎市などと連携した水素・アンモニア・合成メタンなどのサプライチェーン構築の推進、水素などの次世代エネルギーの活用促進の他、脱炭素ライフスタイルの実践とサーキュラーエコノミー構築を連携させた取り組みを公民連携で推進する。また、脱炭素分野の企業誘致・投資を促進する。
 「脱炭素化と一帯となったまちづくりの推進」では、MM21地区の脱炭素先行地域の取り組みを通じた都市型脱炭素モデルの創出や花博のレガシーを生かした郊外部まちづくりの推進、大規模土地利用転換の機会を活用した再エネ導入促進による環境にやさしいまちの実現、米軍施設の跡地活用に伴う脱炭素化の推進を行う。
 「徹底した省エネ・再生可能エネルギーの普及・拡大」では、「(仮称)よこはま健康・省エネ住宅推進コンソーシアム」の設立や「省エネ性能のより高い住宅」の設計・施工などに関する技術講習会を実施するとともに、事業者の登録・公表制度や、省エネ性能などの高い住宅の可視化、再エネ設置の促進策などを検討する。また、焼却工場の再エネの活用によるエネルギーの地産地消を推進するとともに、他自治体などとの連携による電力共同購入スキームなどを活用した家庭・業務部門における再エネ電気への切り替えを促進する。
 「市民・事業者の行動変容の促進」では、グリーン×デジタルによる脱炭素ライフイノベーションなどによる行動変容の推進や脱炭素ライフスタイルキャンペーンを展開する。
 「市役所の率先行動」では、PPA(電力販売契約)の手法などによる公共施設への再エネ設備のさらなる導入を促進する。
 「気候変動の影響への適応」では、CO2を吸収する「ブルーカーボン」としての機能を担う藻場・浅場を形成。災害時の自助・共助を促すためマンションの防災力向上制度などの認定制度を活用し、防災組織体制を充実させる。
 このうち、重点的に取り組むのは「横浜臨海部脱炭素イノベーションの創出」「脱炭素経営支援の充実」「脱炭素に対応したまちづくり」「脱炭素ライフスタイルの浸透」「市役所の率先行動」の五つ。
 まちづくりは、都心部と郊外部それぞれで取り組み、ライフスタイルの浸透は▽住宅の省エネ性能向上▽再エネの導入▽脱炭素ライフスタイルの浸透とサーキュラーエコノミー構築の連携した取り組み▽脱炭素ライフスタイルキャンペーンの展開―の四つを柱とする。

〜改定へパブコメを募集〜
 
 9月20日〜10月19日の間、「横浜市地球温暖化対策実行計画(改定素案)」のパブリックコメントを募集する。
 意見は横浜市電子申請・届出システムか、電子メール、郵便ハガキ、FAXで受け付ける。
 必要な修正を反映した原案を策定し、12月の横浜市会で報告。23年1月に成案を公表する。
 問い合わせ先は調整課 電話045(671)2623。 提供:建通新聞社