建通新聞社(神奈川)
2022/09/21
【神奈川】横浜市 9区庁舎再整備の検討状況
横浜市市民局は、1960〜80年代に整備された神奈川区など九つの区庁舎について再整備に向けた検討を進めており、このほど指標となる4項目―劣化状況、立地状況、利用状況、時代の変化への対応―を明らかにした。それぞれの指標に関して庁舎ごとに課題のレベルを見極め、2023年度以降も詳細な調査と内部検討を継続する。9月12日開催の市会市民・文化観光・消防委員会に報告した。
指標のうち「耐震性能」は9庁舎全てで適正な強度が確保されている。その他建築・設備の老朽度、地震や水害による被害の可能性、周辺のまちづくりの動き、窓口エリアや執務スペースの狭あい化、人口動向、バリアフリーへの対応、DXや脱炭素化への対応などさまざまな課題を考慮し、再整備の優先順位や事業手法を検討する。
例えば栄区庁舎周辺では「本郷台駅周辺市営住宅集約化」が検討されており、港北区役所や保土ケ谷区、旭区の庁舎は、近接する図書館の耐用年数が近づいている。庁舎の周辺で関連性の高いまちづくり事業が想定される場合は、同時に検討することになる。
事業手法についても直接建設方式の他PFI方式や民間ビル活用方式、再開発事業への参画などを想定し、庁舎ごと・手法ごとに事業費の試算や検討が求められる。
これまでの委託業務は20年度に「区庁舎基礎調査」を、21年度に「区庁舎建て替えに関する検討」をいずれもアーバンデザインコンサルタント(横浜市神奈川区)で行った。
検討対象の9区庁舎の概要は次の通り(@竣工年A施設構成B複合施設)。
▽神奈川区(神奈川区広台太田町3ノ8)―@1963年A本館、別館の2棟B県税事務所、消防署
▽保土ケ谷区(保土ケ谷区川辺町2ノ9)―@69年A本館、別館の2棟B消防局
▽旭区(旭区鶴ケ峰一丁目4ノ12)―@71年A本館、別館、新館で2棟B消防署、公会堂
▽西区(西区中央一丁目5ノ10)―@71年A3棟
▽緑区(緑区寺山町11ノ8)―@71年A4棟B公会堂
▽栄区(栄区桂町303ノ19)―@74年A本館、新館の3棟
▽港北区(港北区大豆戸町26ノ1)―@78年A1棟B消防署
▽中区(中区日本大通35)―@83年A本館、別館で1棟
▽鶴見区(鶴見区鶴見中央3ノ20ノ1)―@87年A1棟B消防署 提供:建通新聞社