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建設経済新聞社
2022/09/20

【京都】榎峠バイパスのトンネル等発注 積算を京都技術サポートセンターに委託

 京都府は、国道429号(榎峠バイパス)道路整備事業について、トンネル本体工事、道路築造工事及び橋梁修繕工事の発注に伴う積算業務を一般財団法人京都技術サポートセンター(京都市上京区)に委託した。
 国道429号の京都府福知山市と兵庫県丹波市の府県境部の榎峠は、幅員が狭く、急カーブの坂道が続く道路で、普通車でもすれ違いすら困難な状況。兵庫県側は異常気象通行規制区間となっており、特に冬期は積雪や凍結により通行に支障が生じている。両府県は、この峠区間をトンネル等で整備し円滑な交通を確保する。
 府は、令和元年11月に事業の事前評価を行い、令和2年度に事業化した。バイパス道路の整備により道路線形の改良及び道路幅員の拡幅を行うことで安全かつ快適な道路交通を確保する。
 事業区間の現道は、一部カーブの部分的な拡幅を除いて、ほとんどの区間で道路幅員が5・5m以下となっており、そのうち最小箇所の幅員は約3・0mで十分な幅員が確保されておらず、大型車の通行はもとより、普通自動車も離合が困難な状況。また、つづら折れになった峠道は急カーブが連続し、最小曲線半径は約6・0mで、見通しが悪く走行性も悪い。
 事前評価時の内容によると、ルートについては、京都府・兵庫県が共同で計画し検討した結果、兵庫県側整備済み区間を有効利用し、トンネル延長を短くするルートを採用する方針。
 事業箇所は兵庫県丹波市青垣町中佐治〜京都府福知山市談。延長は2400m(うち京都府域1210m)。幅員は7・5m(トンネル部7・0m)の2車線。土工部が幅員7・5m(3・0m×2車線、路肩0・75m×両側)、トンネル部が幅員7・0m(3・0m×2車線、路肩0・50m×両側)+監査歩廊0・75m×両側。
 計画交通量は3000台/日(令和12年予測交通量)。道路の区分は第3種第3級。
 緑豊かな山間部を通過するため、トンネル計画など地形改変を最小限に抑える工法の採用や在来種による法面緑化等により自然環境の保全に努める。
 榎峠は中央分水嶺に当たることから、分水嶺直下でトンネルの勾配を折り、水量の変化に対する両水系への影響を最小限にとどめるよう配慮。兵庫県側には絶滅危惧種の生息が確認されているエリアがあり、これを避けるルートを選定する。
 事業箇所は、福知山市景観計画において自然景観保全ゾーンの農山村・山並み景観保全地区に該当しており、ルート選定では集落から離れた位置にトンネル坑口を設け、農山村の景観等里山の保全に配慮する。兵庫県側の集落付近には埋蔵文化財が確認されているため、影響のないルートを検討し配慮する。
 工事実施の際には、低騒音・低振動の機械を採用。トンネル残土の有効利用のため、トンネル掘進は両方向から行うことを想定し、起終点付近の土工部の施工を円滑に行う。
 全体事業費は約42億7000万円を見込む。総便益(B)は46億7000万円、総費用(C)は34億9000万円、費用便益比(B/C)は1・3と算出した。
 事業期間は令和2年度〜令和8年度の7年間を想定する。
      ◇      
 兵庫県の事業概要によると、道路改築1190m(全体延長2400m)で、計画幅員は2車線、歩道なし、車道(明かり区間)6・0m(全幅7・5m)、車道(トンネル区間)6・0m(全幅7・0m)。
 事業費は約21億円(全体事業費約43億円)。費用便益比(B/C)は1・3。