三重県は、2022年地価調査の結果を発表した。県全体では、対前年平均変動率が住宅地でマイナス1%(前年マイナス1・6%)となり、30年連続の下落となった。商業地はマイナス0・8%(同マイナス1・6%)の31年連続の下落となった。工業地はプラス0・9%(同マイナス0・3%)となり、30年ぶりに上昇に転じた。県内で上昇した地点は、50地点(住宅地32地点、商業地9地点、工業地9地点)で前年の2地点から大幅に増加した。
毎年7月1日における基準地の1平方b当たりの正常価格を調査し公表している。調査地点数は宅地212地点、商業地85地点、工業地15地点、林地5地点で計317地点。
住宅地の状況を見ると、地価が上昇した地点は32地点で、前年の1地点から大幅に増加した。横ばいが23地点(同29地点)あった。県平均価格は1平方b当たり2万8100円(同2万8200円)で、最高価格地点は津市大谷町の10万1000円(同9万9900円)。市町別で最も下落したのは志摩市、大紀町、南伊勢町でマイナス2・6%。四日市市が初めて、朝日町が2年ぶりに横ばいとなった。住宅地価はコロナ禍となる前も堅調だった北・中部方面を中心に上昇し、伊勢市、松阪市と行った南部方面でも横ばい地点となるなど、改善傾向が見られた。
商業地の状況は、地価が上昇したのは9地点(同1地点)で横ばいが17地点(同4地点)あった。県平均価格は1平方b当たり6万2200円(同6万2300円)で、最高価格地点は四日市市安島1の1平方b当たり29万5000円(同28万9000円)。最も下落したのは南伊勢町でマイナス3ポイント。四日市市と桑名市は2年ぶりに上昇に転じ、菰野町が29年ぶりに横ばいとなった。
工業地の状況は、上昇が9地点(同ゼロ)、横ばいが4地点(同8地点)となった。県平均価格は1平方b当たり1万9500円(同1万9400円)で、最高価格地点は桑名市江場の1平方b当たり4万2400円(同4万2400円)。利便性が高く工業団地が多い四日市市、桑名市、鈴鹿市、亀山市、津市北部で工場や物流施設用地の需要が高まっている。南勢、東紀州方面の工業地は、下落基調に推移するが、内陸部はほぼ底の状況と見られる。
提供:建通新聞社