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建通新聞社(静岡)
2022/09/16

【静岡】県9月補正予算案 ゼロ債に57億円

 静岡県は、9月21日開会の県議会に提出する2022年9月補正予算案で、公共事業に早期着手するための債務負担行為として57億円を確保した。22年度の支出を伴わない「ゼロ債」として、23年度までの債務負担を設定する。補正予算案では、22年度当初予算に事業費を計上したが、翌年度への繰り越しが必要な6事業の繰越明許費(総額25億6800万円)も計上。23年度にまたがる適正な工期設定や施工時期の平準化につなげる。
 ゼロ債の内訳は、港湾関係国庫補助事業の6300万円、社会資本整備総合交付金事業の16億3700万円、県単独生活環境整備事業の40億円=表参照=。ゼロ債は、21年度9月補正予算でも62億5500万円を確保していた。
 このうち、社会資本整備総合交付金事業は、政府が23年度当初予算に計上する交付金の充当を見込み、暫定的に県単独事業としてゼロ債を設定。政府が23年度当初予算で交付金を確保し、県に内示した後に国費を財源に充てる。
 従来は、国の内示前の予算計上を避けるため、交付金事業へのゼロ債の設定を控える地方自治体が多かったが、国交省・総務省は16年2月、翌年度の交付金の配分を前提とするゼロ債の設定を認める、とした通知を全国の自治体に発出。この通知を受け、静岡県も交付金の配分を見込んだゼロ債を設定している。
 ゼロ債で予算を措置し、補正予算成立後に入札契約手続きを済ませ、年度内に余裕を持って工事に着手する。例年、建設業が閑散期になる4〜6月の施工量が増えるため、施工時期の平準化にも効果がある。
 今回の補正予算案では、小規模な道路・河川・港湾整備に県単独の予算を充てる「県単独生活環境整備事業」にもゼロ債を措置しており、交付金事業と合わせて22年度内に箇所付けと契約を済ませ、23年度までの2カ年で工事を完了させる。
 さらに、9月補正予算案では、22年度当初予算に単年度で予算計上していた6事業に繰越明許費を計上し、工期末を23年度に変更する。9月議会で繰越明許費の承認を受けると、年度末を待たずに工期を変更でき、適正な工期を確保できる効果がある。