鹿児島港本港区エリア一帯を巡る問題について14日、県議会で塩田康一知事は「検討委員会を設置して2023年度末を目標に利活用の全体像策定を目指す」と明らかにした。また、スポーツ・コンベンションセンター(新総合体育館)は「基本構想で示したドルフィンポート跡地において整備を着実に進める」と断言した。西悟議員(自民党、志布志市・曽於郡区)の代表質問に答弁した。
同エリア一帯の利活用は、新総合体育館の基本構想や港湾機能を踏まえ、県全体に経済効果を波及させる視点を念頭に検討。このため、経済団体、まちづくりや都市計画の専門家、中心市街地商店街の代表、鹿児島市等で構成する(仮称)鹿児島港本港区エリアの利活用に係る検討委員会を新設する。
今後のスケジュールは、9月補正予算成立後(247万円)に具体的な委員の選定作業を行い設置。まず、本港区エリアの現状や課題、全体的なコンセプトから議論を行い、グランドデザインを開発コンセプトに基づき検討を進め、23年度末を目標に全体像の策定を目指す。
鹿児島市との協議状況は、月1回程度ある塩田知事と下鶴隆央市長の意見交換会で、サッカー等スタジアムにオフィスの併設やスポーツ・コンベンションの開催など稼げるスタジアムのイメージが示され、県と市の関係課の課長級で構成する連絡会ではスタジアムの需要予測等調査で11月開催予定の機運向上イベントの説明が行われた。
県が19年6月定例会で、鹿児島市から協議があれば住吉町15番街区にスタジアムの候補地として前向きに検討することを表明後について、安原達土木部長兼本港区エリアまちづくり総括監は「同市から整備地とすることについての協議はない」と現状を説明した。
■県住宅供給公社の今後
精算後に解散予定
県住宅供給公社の在り方に関しては、郷原拓男議員(自民党、鹿屋市・垂水市区)が質問。塩田知事は「06年3月に策定した経営健全化計画に基づき21年度に民間金融機関への償還が完了した。県の無利子貸付金の償還は23年度以降、行うことにしているが、期限の26年度までの全額償還が困難なことが見込まれる」と現状を説明。今後については「基本的には公社が保有する分譲資産や賃貸管理資産を整理・精算した段階で、その役割を終了し解散することになると考えていている」と話した。