建通新聞社(静岡)
2022/09/14
【静岡】静岡県発注工事 平均落札率が0.97P上昇
2022年度第1四半期(4月〜6月)に静岡県が発注した579件の工事の平均落札率は95・01%となり、前年度の同じ時期と比べ0・97ポイント上昇したことが、建通新聞社の集計で分かった。入札率(予定価格に対する入札参加者の応札額の割合)の平均値も99・43%と0・5ポイント上昇した。県は22年度から基準額を下回ると失格になる最低制限価格の対象工事を拡大した他、最低制限価格・低入札価格調査基準価格の算定式も見直した。低入札を防ぐための制度改正が、入札参加者の応札行動に影響した格好だ。
2022年4月〜6月に落札された582件の工事のうち、落札率・入札率の算出が可能な579件を抽出。前年同期(21年4月〜6月)の619件の落札率・入札率と比較した。
入札件数を落札率の階層別に見ると、「落札率95%〜100%」が354件(全入札件数の61・1%)で最多。前年同期も最も入札件数が多かったのは「落札率95%〜100%」の347件だったが、全入札件数に占める割合は56・1%で、この階層での落札が5・0ポイント増加した。
前年同期と比べ、最も変化があったのは「落札率85%〜90%」の階層で、前年同期の100件(全入札件数の16・2%)から22年度第1四半期は49件(同8・5%)に半減。落札率90%を下回る落札が減ったことが、平均落札率の上昇につながった。
第1四半期の全入札参加者の平均入札率は99・43%と0・5ポイント上昇。階層別では「入札率95%〜100%」が229件(全体の39・6%)と最も多く、「同100%〜105%」の150件、「同90%〜95%」の72件が続いた。
県発注の土木工事では、国土交通省からの入札契約適正化法に基づく要請を踏まえ、22年度から低入札価格調査制度を強化した。「予定価格5000万円以上」としてきた低入札価格調査の対象工事を「予定価格1億円以上」(総合評価落札方式は対象)に見直し、最低制限価格の適用工事を拡大した。
低入札価格調査も、標準調査や重点調査の提出資料を増やしたり、失格基準を引き上げており、調査基準価格を下回ると実質的に落札が難しい制度になった。合わせて、調査を通過しても、落札者には主任・監理技術者と別に補助技術者2人の専任配置が求められる。
また、中央公契連モデルの改正に合わせ、県発注工事でも4月1日以降、調査基準価格と最低制限価格の計算式を改正。一般管理費等の算入率はそれ以前の55%から68%に引き上げている。