京都市は、団地再生計画(住棟住替え方針)に基づき、三条・岡崎市営住宅団地について、三条に集約し更新棟を建設。岡崎の入居者は更新棟に住み替えとなり、移転後の岡崎の住棟は全て除却する。住棟の集約で生じる用地は活用予定エリアとして活用を図る。
団地再生計画の対象は、三条市営住宅(東山区教業町ほか、団地再生計画対象面積約2万9300u/商業地域/住棟数8棟、管理戸数534戸、総入居世帯数290世帯)と岡崎市営住宅(左京区岡崎最勝寺町ほか、団地再生計画対象面積約3100u/第二種中高層住居専用地域/住棟数2棟、管理戸数47戸、総入居世帯数23世帯)。
計画によると、花見小路通東側の三条3棟、4棟、5棟、12棟、第1(立体)駐車場、第2(平面)駐車場、高齢者ふれあいサロン、三条浴場を除却し、跡地に更新棟を3期で5棟(1期1棟(更新棟@)、2期2棟(更新棟AB)、3期2棟(更新棟CD))建設する。3棟跡地などは活用予定エリアとする予定。
更新棟は、5階建の中層住棟を基本とし、エレベーターを設置する。住戸はバリアフリー対応(床に段差を設けない、手すりを設置するなど)とし、浴室を設置する。住戸タイプは35u(2K)、45u(2DK)、60u(3DK)の3種類のタイプを整備する。
駐車場は、更新棟(2期、3期)に入居者用の駐車場を設置する。建替え敷地が限定されることから、1階をピロティ駐車場として可能な限り整備するとともに、一部の更新棟は地下にも駐車場を設置する。駐輪場は、1住戸あたり1台駐輪できるよう整備する。
集会所は、更新棟各棟の1階に設置。管理事務所は、日常の問い合わせや集会所の鍵の貸し出しなど、居住者の利便性に配慮して整備する。
花見小路通西側の比較的新しい住棟は継続活用し、6棟と7棟は高齢者等対応を検討。13棟は現状通りとする。なお21棟、22棟は別途事業計画を進めているため、今回の団地再生計画の範囲に含まれていない。
団地内の認定道路は一部を拡幅するほか、一部の認定道路と里道は廃止する。
団地再生計画策定(令和2年度)から事業完了(13年度末)までの事業スケジュールによると、更新棟(1期)建設工事は、4〜7年度に実施する計画。
1期となる三条市営住宅新築工事ただし、S1棟(仮称)建築工事は、第2(平面)駐車場跡地(東山区長光寺635−1他)の敷地921・21uに建設する。規模はRC造5階建、延2188・15u(建築面積489・94u)。住戸32戸を収容する。建築物の高さは14・95m(塔屋含む高さは15・28m)。
着工は令和5年12月中旬、完成は7年5月中旬を予定。
設計は三宅建築事務所(京都市左京区)。
令和3年度は、団地再生事業(三条市営住宅)道路整備測量・設計を6月入札でエース(京都市下京区)に委託。新1棟(仮称)新築工事用地における地質調査を9月入札で関西土木技術センター(京都市伏見区)に委託し進めた。
1期となるS1棟(仮称)建築工事を進めた後は、令和7〜8年度に3棟除却工事、4棟・5棟、高齢者ふれあいサロン除却工事を行うとともに、更新棟(2期)建設工事を7〜9年度に実施。12棟除却工事を9〜10年度、更新棟(3期)建設工事を10〜12年度にそれぞれ実施。11棟、三条浴場、岡崎市営住宅除却工事を12〜13年度に実施し、事業を完了させる。
団地再生後の土地利用面積をみると、市営住宅用地(市営住宅、駐車場、通路、高齢者ふれあいサロン、代替スペース等)が約1万3200u、公共施設等用地が約1万0600u(公共施設(東山いきいき市民活動センター、三条保育所)約4200u、三条東公園約900u、その他(道路、緑地)約5500u)、活用予定エリア(3棟跡地、11棟跡地)が約5500uの計約2万9300u。
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なお市が策定した第3期東山区基本計画「東山・まち・みらい計画 2025」において、28施策の一つに「良質な住宅ストックの形成及び良好な住環境の整備」に掲げ、〈市営住宅については、団地内外の活性化を含めた団地のまちづくりを進め、安心して住み続けるための取組を推進する〉とした。