建通新聞社(静岡)
2022/09/09
【静岡】エコアクション21 資格審査の加点継続
経営事項審査の審査基準が改正され、2023年1月にからエコアクション21(EA21)の認証を取得した企業が、W評点の加点評価を受けられるようになる。静岡県内でEA21の認証を受けた企業は973社と全国最多で、このうち建設業は479社とほぼ半数を占める。静岡県は10月にスタートする23・24年度の競争入札参加資格審査でも、EA21の加点評価を継続する考えで、認証を受けた企業は経審と資格審査の双方で加点が受けられる見通しだ。
経審の現行の審査基準では、ISO14001を取得した受審企業を加点評価している。ただ、ISO14001の認証を取得し、加点を受けている企業は全受審企業の5・3%に過ぎない。静岡県内の受審企業に目を移すと、認証を受けた企業は2・9%とさらにその割合は低い。
ISO14001は中小建設業にとって認証のハードルが高い。EA21はISO14001よりも要求項目が少なく、取り組む活動も省エネ、廃棄物削減・リサイクル、節水などに限られているためだ。
EA21を運営する持続性推進機構の調べによると、今年1月時点でEA21を競争入札参加資格審査の加点対象としている都道府県は30ある。
特に静岡県内では、EA21の認証を受けている973社と全都道府県で最も多い。このうち、建設業は49・2%に当たる479社と、他の都道府県に比べ、建設業が占める割合が高い特徴がある。認証企業に占める県が県発注工事の競争入札参加資格審査での加点が、建設業が認証を取得する動機付けになっている。
11月9日〜12月28日に電子申請、23年1月19日〜26日に紙申請で受け付ける、県の23・24年度競争入札参加資格審査では、EA21が引き続き加点の対象となる見込みだ。経審改正を理由にEA21の加点対象からの除外を検討する都道府県もある中、県は加点措置を継続する見通しだ。
23年1月の経審改正では、EA21がISO14001に比べて審査基準が少なく、認証手続きも簡易であることを踏まえ、W評点への加点幅をISO14001の5点より低い3点にする。ISO14001とEA21のいずれも認証を取得している企業は合算せず、ISO14001の5点のみの加点となる。