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建通新聞社(神奈川)
2022/09/09

【神奈川】川崎市 公共ホール在り方検討へ考え方示す

 川崎市は、市が所有する公共ホール19施設の適切な配置や機能分担などの方向性をまとめた「ホールのあり方」の策定に向け、検討を進めるに当たっての視点などを整理した「公共ホールのあり方検討にあたっての基本的な考え方」を示した。このうち、労働会館は現在の建物に教育文化会館の市民館機能を集約した「(仮称)川崎市民館・労働会館」としてリニューアルするため、大規模な改修を予定。この他、各ホールで舞台照明や音響設備、トイレの改修などが計画されている。第4四半期に「ホールのあり方(案)」をまとめ、パブリックコメントの募集を経て2023年度第1四半期に「ホールのあり方」を策定する。
 市の公共ホールは築30年以上の施設が多く、今後想定される人口減少や財政状況などを踏まえてもこれまでと同様の設備や規模で更新していくことが困難とされている。このため、現在の施設の機能・規模を適正化することを前提に、利用実態や配置状況などを考慮した各ホールのエリアごとの役割を検討する。
 対象となる公共ホールは川崎市立労働会館(川崎区富士見2ノ5ノ2)、スポーツ・文化総合センター(川崎区富士見1ノ1ノ4)、川崎能楽堂(川崎区日進町1ノ37)など。
 これら市内の19施設の中には、ホールや設備の稼働率、客席の利用数が低く効果的に活用されていない施設があるため、各施設に必要な設備を検証する必要がある。また、多くの施設で老朽化が進んでいることから大規模改修や建て替えを行う可能性があり、今後想定される修繕費用は40億円以上となることから財政面の課題への対応が求められる。
 この他、利用者の半数以上は自らの「生活行動圏」(川崎・臨海部周辺エリア、川崎・小杉駅周辺エリア、中部エリア、北部エリア)内のホールを利用していることから、市民の「生活行動圏」ごとに各ホールの役割分担を決定する。
 利用者の目的によっては、他の公共施設や民間施設へ誘導するなど公共ホール以外の施設との連携も検討している。
 今後策定する「ホールのあり方」では、将来的なホールの配置や役割分担などに加え、持続可能な施設の運営に向けた考え方や複合化・改修が必要な施設の方向性を示す。
 各ホールの概要と想定される主な修繕内容は次の通り(①建築年②規模③修繕内容)。
 ▽川崎市立労働会館―①1981年②鉄筋コンクリート造地下1階地上5階建て延べ1万0109平方㍍③全面大規模リニューアル
 ▽スポーツ・文化総合センター―①2017年②鉄骨造地下1階地上4階建て延べ2万5423平方㍍③なし
 ▽川崎能楽堂―①1986年②鉄筋コンクリート造2階建て延べ543平方㍍③舞台照明設備改修、舞台機構設備改修など
 ▽川崎市産業振興会館(川崎市幸区堀川町66ノ20)―①88年②鉄骨鉄筋コンクリート造地下1階地上13階建て延べ1万0095平方㍍③舞台機構設備改修など
 ▽幸市民館(幸区戸手本町1ノ11ノ2)―①80年②鉄筋コンクリート造地下1階地上3階建て延べ6073平方㍍③調光装置改修など
 ▽ラゾーナ川崎プラザソル(幸区堀川町72ノ1・ラゾーナ川崎プラザ5階)―①2006年②延べ594平方㍍③舞台機構設備改修、舞台音響設備改修など
 ▽川崎シンフォニーホール(幸区大宮町1310)―①03年②鉄骨造地下2階地上27階建て延べ1万6115平方㍍③なし 
 ▽川崎市総合自治会館(中原区小杉町3ノ600)―①20年②鉄骨造4階建て延べ1500平方㍍③なし
 ▽川崎市国際交流センター(中原区木月祇園町2ノ2)―①1994年②鉄筋コンクリート造地下1階地上3階建て延べ9091平方㍍③舞台音響設備改修など
 ▽中原市民館(中原区新丸子東3ノ1100ノ12)―①2009年②鉄骨鉄筋コンクリート造地下1階地上3階建て延べ3394平方㍍③舞台機構設備改修、舞台照明設備改修など
 ▽川崎市総合福祉センター(中原区上小田中6ノ22ノ5)―①1990年②鉄骨鉄筋コンクリート造地下1階地上7階建て延べ8419平方㍍③舞台設備改修、トイレ洋式化など
 ▽川崎市コンベンションホール(中原区小杉町2ノ276ノ1)―①2017年②鉄筋コンクリート造地下1階地上2階建て延べ3070平方㍍③なし
 ▽川崎市民プラザ(高津区新作1ノ19ノ1)―①1979年②鉄骨鉄筋コンクリート造地下1階地上4階建て延べ1万2504平方㍍③舞台照明設備改修、トイレ洋式化など
 ▽高津市民館(高津区溝口1ノ4ノ1)―①97年②鉄骨鉄筋コンクリート造地下2階地上13階建て延べ8373平方㍍③吊り物ワイヤー更新、トイレ洋式化など
 ▽男女共同参画センター(高津区溝口2ノ20ノ1)―①74年②鉄筋コンクリート造4階建て延べ3337平方㍍③舞台照明設備改修、トイレ洋式化など
 ▽宮前市民館(宮前区宮前平2ノ20ノ4)―①84年②鉄筋コンクリート造地下2階地上3階建て延べ8863平方㍍③調光装置改修
 ▽多摩市民館(多摩区登戸1775ノ1)―①96年②鉄骨鉄筋コンクリート造地下2階地上12階建て延べ2万7872平方㍍③舞台照明設備改修、トイレ洋式化など
 ▽麻生市民館(麻生区万福寺1ノ5ノ2)―①80年②鉄筋コンクリート造地下1階地上3階建て延べ6985平方㍍③特定天井改修、トイレ洋式化など
 ▽アートセンター(麻生区万福寺6ノ7ノ1)―①2007年②鉄筋コンクリート造3階建て延べ1912平方㍍③舞台音響設備改修など 提供:建通新聞社