石川県議会9月定例会が7日開会し、馳浩知事は最近の県政状況と、一般会計補正予算など提案した諸議案の大要説明を行った。
広域道路ネットワークの整備に関して、馳知事は金沢外環状道路海側幹線(4期区間)の金沢市大河端町〜福久町間3・2キロメートルと、南加賀道路の加賀市細坪町〜熊坂町間1・0キロメートルについて、「工事が順調に進捗していることから、今年11月に供用する」と明かした。両区間は当初、年内完成、供用を予定していた。
加賀地方を中心とした8月の記録的な豪雨では梯川等の河川が氾濫し、約1500棟の住宅被害のほか、河川や道路などの公共土木施設、農地・農業用施設、白山白川郷ホワイトロードをはじめとする林道等に甚大な被害が発生。今回の大雨による全国各地の災害は激甚災害に指定される見込みであり、馳知事は「今後、国には災害査定を速やかに進めてもらい、県として被災個所の一日も早い本格復旧に向けて全力で取り組む」と強調。道路の崩落に伴い無料区間が通行止めのホワイトロードにも触れ、「できるだけ早い時期の暫定復旧に向け、仮設道路の設置や安全対策工事に着手するとともに、本格復旧に向けた工法の検討も行う」と述べた。
今後に備えた防災・減災対策で、県下全域の河川を緊急的に総点検した結果、新たに確認された堆積土砂の除去を来年の出水期までに終え、国の追加認証を得て、抜本的な治水対策である河川改修を県下全域で促進すると説明。一方、国管理の梯川本川に加え、支川の県管理河川も越水するなど、流域全体で甚大な被害が発生したことから、馳知事は「国や小松、能美市などの関係機関と連携して、その要因等を検証し、ハード・ソフト両面にわたる対策を取りまとめ、今後の治水対策に反映させる」と語った。
金沢城二の丸御殿については、復元対象となる建物の基本設計や、障壁画の再現に向けた検討など、2024(令和6)年度の工事着手を目指し、鋭意取り組みを進めている。また、既設案内所を「二の丸情報館」に改装し、御殿の歴史や復元整備の取り組みを紹介する発信拠点として、10月15日に公開するとした。