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北陸工業新聞社
2022/09/07

【富山】日ごろの成果を一堂に/工芸建築科同窓会が作品展/田中棟梁の道具展も開催

 高岡工芸高等学校建築科同窓会(会長・大野博和大野建築設計事務所所長)が主催の「第9回工芸建築科同窓会・作品展」が、4日から高岡市中川の青井記念館美術館で始まった。入館無料で、開催は24日までの各日10時から16時。毎週月曜日が休館日。
 同校建築科は、1954(昭和29)年に第1回目の卒業生を輩出し、今年で2701人を超え、多くの卒業生が建築界を中心に全国で活躍中。作品展は、建築技術の後継者不足や建築を目指す若い人が減っている現状の改善に貢献できればとの思いからスタートし、同窓会会員の連携・親睦を深め、建築技術者育成の大切さ、建築の魅力を広く知ってもらおうと、同窓生の日ごろの成果を一堂に展示している。昨年は新型コロナで中止され、2年ぶりの開催。
 初日のオープニングセレモニーでは、大野会長があいさつし、「作品展は9回目を迎えた。皆様のご支援、ご協力に感謝したい。会員の作品は、個人住宅から公共建築まで幅広く、建築基準法など厳しい規制がある中、デザインを駆使して設計されたものが多く見られる。展示している在校生の作品は、我々が直面している環境問題に取り組んだものもあり、年々よく考えられた作品が増え、とても成長を感じさせてくれる」と述べた上で、「建築科は工芸で唯一、同窓会を持つ科。これからも社会で活躍できる人材を多く輩出できるよう、同窓会が一丸となり支援したい。作品展が成功裏に終えることを祈念している」と話した。
 来賓から、同校の高久直樹学校長が祝辞を述べた。会場には、卒業生が設計や施工を手掛けた公共施設、店舗、個人住宅などの建築作品パネルや建築模型のほか、今春卒業した学生の卒業課題、在校生が参加したコンペの入選・入賞作品を紹介。上原雄史富山大学教授の作品も数年前から毎年展示し、今回は「あるタワー」のテーマで出展した。
 一方、同時開催として、重要文化財勝興寺保存修理完成記念「勝興寺を支えた大工道具展」も実施中。98(平成10)年から約23カ年計画で、平成の大修理が行われた勝興寺(高岡市伏木古国府)保存修理において、棟梁を務めた田中健太郎氏の大工道具を展示。
 田中氏は一昨年の開催時にも協力し、「木工具の発達史」として自身が所有する大工道具と鋸(のこぎり)を提供。今回は、実際に使用していた大工道具を展示しており、特注品なども数多く展示している。

hokuriku