鴨川市は5日、「公民館等再編方針」の原案を取りまとめた。公民館11館のうち、耐震改修を行っていない太海公民館、田原公民館、吉尾公民館を2025年度までに廃止するとともに、吉尾公民館の併設施設の吉尾出張所については移転して存続。各地区の中核となる4館のうち、江見公民館と併設施設の江見出張所に関しては、25年度までに移転・複合化し、存続させる。中央公民館、大山公民館、天津小湊公民館は32年度までに学校施設など他の公共施設との複合化を図る。曽呂公民館、東条公民館、西条公民館、主基公民館は分館化して当面存続させるが、32年度までに廃止する。
市内の公民館の大半は建築から40年以上が経過し、老朽化が著しく、施設運営に支障を及ぼしかねない状況となっている。バリアフリー対応について、現在の建物に求められる整備水準を満たしている施設はない。さらに、太海公民館、田原公民館、吉尾公民館については耐震安全性が確保されていない。
そこで、公共施設マネジメント方針に基づき、改善の方向性を定め、取り組みを進めることとした。
庁内検討会議においては「江見地区の公民館を江見公民館1館に集約することが考えられるが、江見公民館は津波浸水区域に位置していることから、旧江見小学校に他の公共施設と複合化して整備・移転する選択肢も考えられる」「鴨川地区全体で公民館を集約することが考えられるが、利用状況から見て中央公民館1館では利用ニーズを受け入れ切れないため、東条公民館を分館化して当面は存続とすることが考えられる」「長狭地区の公民館は、里山オフィスが併設されている大山公民館1館に集約することが考えられる」「天津小湊地区の公民館は存続が考えられるが、周辺に類似・代替施設の天津小湊支所と天津小湊保健福祉センターがあることから、複合施設化を図り集約していくことも考えられる」との意見が寄せられた。
なお、市内在住・在勤・在学者などを対象とする原案のパブリックコメントを10月4日まで実施している。方針の策定は12月の予定。