来年5月施行の「宅地造成及び特定盛土等規制法」(盛土規制法)を見据え、県土整備部は規制対象エリアの指定に向けた基礎調査に入る。関連経費4900万円を「9月補正案」に盛り込む。
昨年7月に静岡県熱海市で発生した盛土の大規模崩落を受けた国の調査では、農地法や森林法などの規制が行き届かない土地が数多くあることが判明。このため国は今年5月、従来の「宅地造成等規制法」に盛土を加えて盛土規制法に改正した。
盛土規制法では県、政令指定都市、中核市が▼市街地、集落など人家がまとまってあり、危害の恐れがある「宅地造成等工事規制区域」(宅造区域)▼市街地から離れているものの、土砂災害に結び付く恐れがある「特定盛土等規制区域」(特盛区域)―の2規制区域を指定。規制区域での盛土行為は、県などの許可制とし、中間・完了検査の実施、定期報告を義務付けた。
同部が今後実施する基礎調査では、盛土行為があった際に被害を及ぼす範囲の土地形状や土地の利用状況を調べ、「宅造区域」と「特盛区域」のエリア指定を検討する。
ただ、規制対象区域の具体的な考え方が定まっておらず、同部は「国の方針を見極めて調査を進める」(技術企画課)と説明。土砂災害防止法に基づくイエロー・レッド区域も参考にしたいとしている。
基礎調査は県内一律での基準が必要のため、同部では中核市・鳥取市の事業も受託。9月補正後、各県土に調査費を配分し10月から着手する。
日刊建設工業新聞