トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

北陸工業新聞社
2022/08/31

【富山】「かぐてんぼう隊」が出動/高齢者宅の家具を固定化/建築士会富山支部/防災意識向上へ

 富山県建築士会富山支部(飯野美代子支部長)の会員らで構成する「かぐてんぼう隊とやま」は、全国防災週間の初日である8月30日、富山市内の2地区で高齢者宅の家具を固定化するボランティア活動を行った。
 この日はまず、蜷川地区センターで出発式が行われ、隊員30人のうち11人が参加。主催者から蜷川自治振興会の山本繁之会長が、「天災は忘れたころにやってくるが、最近は忘れる間もなくやってくる。地震も全国各地で相次ぎ、多くの方が犠牲になっている。家具の下敷きで逃げ遅れたケースも少なくない。家具が倒れないよう固定すればいいが、高齢者世帯では困難。当会では平成29年から、かぐてんぼう隊にボランティアで実施していただいている。この活動を通し、防災に対する住民の意識向上が図られ、地域防災力が高まることを期待したい」とあいさつした。
 町内会を代表し、布市自主防災会の藁谷進会長が「家具の転倒防止という地道な活動をもっとPRし、少しでも多く安全な住まいになれば」、飯野支部長が「隊は2015年に立ち上げた。コロナ禍で活動は7回目。高齢者宅の家具固定活動は中々進まないが、協力しながらより多くの活動を行いたい」とあいさつ。その後、同隊の宮下剛副隊長が出発を宣言した。
 隊員はその後、3人構成の2班に分かれ、高齢者宅2軒を訪問。このうち、布市地内にある木戸和一さん宅には、富山支部の鈴木保二相談役(県建築士会常務理事)と前田哲宏氏(同理事)、長越章子氏の3人が訪れ、寝室のタンスと台所の食器棚2つを、L型金物で固定化する作業に取り組んだ。
 作業完了後、木戸さんは「生活する上で非常に安心。身近なことから取り組むことで、住民の防災意識が高まる。そのきっかけになれば」、鈴木相談役は「家具の固定だけでなく、火災報知器の取り付けも依頼があれば行う。扉の固定など実施項目も年々増やし、ステップアップするよう活動している。コロナが収束すれば、住民を集めた講習会も再開したい」とそれぞれ話していた。9月11日には残り2軒で同様の作業を行うほか、活動報告会も開く。

hokuriku