建設新聞社
2022/08/31
【東北・福島】国際研究教育機構候補地に浪江町川添地区を決定
福島県は、国が整備する福島国際研究教育機構について、県としての本施設候補地をJR常磐線浪江駅西側の「浪江町川添地区」、完成までの仮事務所候補地を浪江町権現堂地内の「ふれあいセンターなみえ」に決定した。
30日に県庁で開かれた第117回新生ふくしま復興推進本部会議、第28回福島イノベーション・コースト構想推進本部会議の合同会議で明らかにし、同日中に国に通知した。国は今後、県の意見を尊重して立地場所を検討し、9月中の正式決定を目指す。
同機構は、国の科学技術力・産業競争力強化や福島県浜通りにおける復興・再生を推進するための「創造的復興の中核拠点」として、国が2023年4月の設立を目標に準備を進めている。仮事務所でのスタートとなるが、復興庁設置期間である30年度末までの本施設完成を目指す。
本年度は基本計画等検討業務の委託者にパシフィックコンサルタンツを選定したほか、ロボット・ドローン研究開発施設、世界最先端の超大型X線CT装置などの施設・設備を取りまとめた計画案を公表している。
本施設候補地の決定に向けては、県が避難地域12市町村に対し2カ所を上限に提案を依頼し5月31日の期限までに2市7町から15カ所の提案があった。その後、自然災害リスクや円滑な工事の実施など施設整備の視点、さらには福島イノベーション・コースト構想や研究開発との連携が図れることなどの周辺環境を総合的に評価して浪江町川添地区に決定した。
同地区は、川添中ノ目ほか地内の市有地約10fで、南側の農地約14・5fを追加敷地とする。JR常磐線の浪江駅に近接し、常磐道のICや国道6号などの主要幹線道路に近いなどの交通アクセスや高低差の少ない土地形状が特徴。
さらに、研究・教育施設が多く立地するなど、福島イノベーション・コースト構想効果の最大化が見込まれることなどが高く評価された。
自治体別の提案箇所は田村市(都路町岩井沢)、南相馬市(小高区岡田、小高区浦尻)、川俣町(山木屋の2カ所)、広野町(下浅見川、下北迫)、楢葉町(北田ほか、上繁岡)、富岡町(小良ヶ浜ほか)、大熊町(小入野、下野上)、双葉町(長塚)、浪江町(川添、権現堂)だった。
仮事務所についても同様に募集し、2市6町から提案があった11施設を対象に、延べ面積1000平方b以上などの条件や、生活環境などを評価した。ふれあいセンターなみえは今年6月に完成したばかりの施設で、全体延べ3461平方bのうち、約1173平方bを仮事務所に使用可能としている。
提供:建設新聞社