熊本県建設業協会(土井建会長)は24日、九州地方整備局との意見交換会をザ・ニューホテル熊本で開催した。協会は、担い手確保に向けた設計労務単価と現場管理費の引き上げや、単品スライドの負担撤廃などを求めた。
九州地整から森下博之企画部長、徳元真一建政部長、板橋薫営繕部長、県内事務所長ら23人、県土木部から浦田隆治総括審議員ら4人、熊本市から清永健介契約監理部長ら2人、協会から会長、副会長、専務理事、支部長、部会長、委員長ら25人が出席した。
土井会長は「新3Kや労働力確保、働き方改革、CCUS等に取り組みながら生産性向上にも努めなければならないという難しい局面になっている」と挨拶。九州地整に対しCCUSの推進に協会として協力していく姿勢をあらためて示すとともに、県に対しては、不調不落対策だけでなく、県内業者育成の観点からB・Cランク業者への一層の配慮を求めた。
森下企画部長は「公共工事の前倒しや資材価格高騰を踏まえた適正な請負代金の設定などを進め、予算を迅速かつ着実、円滑に執行していくことが重要だ。業界の声を伺いながら丁寧な発注に努めていく」と述べた。
意見交換で協会が掲げた議題は、▽担い手確保▽単品スライド▽不調発生時の措置▽工事中止の取り扱い▽低入札価格調査基準を下回った場合の事前の意思表明―の五つ。
担い手確保では、4週8休の推進と新3Kの取り組み加速化にあわせ、直接工事費の労務賃金(設計労務単価)の更なる引き上げと、現場管理費の従業員給料手当等の引き上げを要望した。請負代金額の1%を超過した分を変更する単品スライドについては、会社全体でみれば全現場の1%は相当の金額になるとして増額分を全て変更するよう検討を求めた。
九州地整は、円滑な事業執行と担い手確保について意見を聞いた。担い手確保で協会は、昨年度に工業系高校生の現場見学会(4校171人参加)とインターンシップ(7校175人参加)、小学5年生への出前授業、魅力発見フェアへの参画のほか、高校1・2年生向け入職促進パンフレットを刷新し、新たに中学3年生向けを加えたことなどを紹介した。
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