三重県河川整備計画流域委員会は、雲出川水系(指定区間)河川整備計画を策定するため、2回目の委員会を開いた。指定区間である赤川の整備に向けたもので、河川整備計画骨子案が示された。概算事業費は約62億円。
雲出川は、幹川流路延長55`、流域面積550平方`の1級河川。2014年に国管理区間の河川整備計画を策定し、無堤部(霞堤)対策や遊水地整備、水位低下対策、堤防強化対策を行っている。このうち、牧・小戸木地区の無堤部は遊水地整備、赤川・其村地区は堤防の嵩上げを行う。嵩上げにより、浸水頻度と浸水深さを軽減させる。赤川との合流点は、無堤部の嵩上げと水門、樋門・樋管の整備を計画している。
雲出川の赤川を含む支川では、支川自体の氾濫被害より雲出川本川の水位上昇による浸水被害の影響が大きいことから、本川の整備と併せて県が管理する赤川を一体的に整備する必要がある。
赤川流域の規模は、管理延長が約3・2`、流域面積が約8平方`。農地をメインに農業用ため池、宅地開発に伴う調整池などがある。04年、09年、11年、13年、14年に浸水するなど、数年に1回のペースで被害が発生している。
河川整備計画骨子案を見ると、近鉄橋梁下流部の津市一志町小山字中野100、101地先から雲出川合流点まで3・2`を整備区間としている。1987年8月洪水と同規模の洪水に対し、国の水門整備と併せて浸水被害を半減、湛水量を5分の1に縮小する。現況の浸水面積は314・5f、湛水量が607万立方bで、整備後の浸水面積が158・9f、湛水量が125万立方b。
今後のスケジュールは、第2回関係住民アンケートを行い、10月ごろに河川整備計画原案を委員会に提示する。関係機関協議、関係市意見聴取を行った後、公表する。
委員からは、関係住民に理解が得られるように、国の整備と県の整備について分かりやすくすることや整備効果の見やすさを求める意見が出た。
提供:建通新聞社