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建通新聞社(静岡)
2022/08/26

【静岡】県内自治体管理の道路橋 修繕着手率82%

国土交通省のまとめによると、2014〜18年度の定期点検で修繕が必要だと判定された静岡県内の道路橋(地方自治体管理)のうち、82・1%に当たる2089橋で修繕工事に着手済みであることが分かった(21年度末時点)。点検の実施から3年以上が経過し、このうち1848橋(72・6%)は21年度末時点で修繕工事を完了している。修繕工事の着手率は、県内の自治体が全国平均よりも17・3ポイント高い。
 全ての道路管理者に5年に1度の点検が義務付けられている橋梁・トンネル・道路付属物(シェッド、大型カルバート、横断歩道橋、門型標識など)の老朽化対策の状況を国交省がまとめた。
 14〜18年度の1巡目の点検で、次回の点検までに措置すべきとされた橋梁(判定区分V・W)は、全国で6万2694橋(自治体管理分)。このうち修繕に着手した橋梁は4万0611橋(64・8%)だった。
 静岡県内では、1巡目の点検で判定区分V・Wとされた2544橋の82・1%に当たる2089橋で修繕工事に着手。このうち1848橋で21年度末までに工事を終えた。19年度にスタートした2巡目の点検結果を見ると、21年度末までに1110橋のうち378橋で修繕工事を完了。修繕着手率は34・1%で、こちらも全国平均より5・2ポイント高い。
 県内ではこの他、トンネルの修繕着手率が94・4%、道路付属物が89・0%となり、いずれも全国平均より高くなった。
 橋梁などの定期点検を巡っては、点検・診断後の老朽化対策に必要な財源の確保が課題だ。1巡目の点検で修繕が必要ないとされた橋梁でも、2巡目に入ると経年劣化が進み、年間6000橋が新たに判定区分V・Wと診断されるとの試算もある。
 これに対し、政府は、20年度に閣議決定された「防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のための5か年加速化対策」で、インフラの老朽化対策にも対策の事業費を充当することを決定。一方、静岡県は、老朽化したインフラを予防保全型で管理するための「社会資本長寿命化行動指針」を22年度にも見直す方針を示している。