建通新聞社(神奈川)
2022/08/23
【神奈川】横浜市 根岸公園トイレ設計コンペ公開ヒア
横浜市建築局は8月22日、「根岸森林公園トイレ設計コンペ」で1次評価を通過した5作品の公開ヒアリングを中区の関内ホールで開催し、設計者本人によるプレゼンテーションと、評価委員による質疑応答が行われた。
コンペには504者が参加を表明し、応募作品267点の中から1次評価で5作品が選ばれた。
設計者らは、スライドの他模型やパネルを展示して作品のコンセプトや詳細を説明。質疑応答では評価委員から「公共建築はどうあるべきだと思うか」などの質問が出され、それぞれが地域や市民とつながることの大切さや自然との共生、歴史の継続、気持ちの良い空間づくりなどを訴えた。
コンペの結果は9月1日に発表される。
〜コンペは筋トレ=`
ヒアリング終了後の講評で、評価委員の肥田雄三建築局公共建築部長は「横浜市の新築設計はプロポーザル方式での発注が基本。今回のコンペは、公共建築100周年事業の一環として、40歳以下の若手設計者を対象に実施した。次世代の設計人材発掘と育成につなげたい」とコンペの目的を説明。「根岸森林公園は日本で初めて競馬を開催した場所で、応募作品には馬に関連する提案が多かった。大きな芝生広場に面した場所のトイレという条件の下、1次評価では周辺環境にしっかり向き合っているかどうか、今回のヒアリングでは、維持管理や実現性の面からも作品を見た。皆さんの熱意が伝わるプレゼンテーションだった」と総括し、感謝を述べた。
外部評価委員の小泉雅生東京都立大学教授は「設計コンペは、技術や建築的な体力を培う筋トレ=B設計者の皆さんは今回の経験をこれからの仕事につなげてほしい」と総評し、横浜市に対して「このようなコンペを実現したことが大事だ。今後も継続し、若手を支援していただければ」と要望した。
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追って公開ヒアリングを行った5作品―▽中倉康介氏「大地とつながる木レンガの風突トイレ」▽小野寺匠吾氏「木と土のパーゴラ」▽桐圭佑氏「森林レストルーム」▽張昊氏「丘の小道」▽山川尚哉氏「樹々を包み込むトイレ」(くじ引き順)―の概要を紹介する。 提供:建通新聞社