建通新聞社
2022/08/23
【大阪】あいりんセンター跡地活用 プロポを視野に
大阪市西成区は8月10日、西成特区構想のこれまでの成果と次期特区構想について、有識者が取りまとめた提言を受けた。有識者の提言の中には、あいりん総合センターの跡地活用で、プロポーザル方式を用いた事業が望ましいという意見があった。有識者から提言書を受け取った松井一郎大阪市長は「西成特区構想から10年が経ち、市営住宅や病院の南側への移転建て替えが進んできた。労働施設全体を更地にして、リスクを低減させるというところまで来ている。まちが目に見える形で変わってきた」とあいさつした。また、周辺の天王寺区や浪速区が住みたいまちのランキングで上位となっていることに触れ、「西成区にも可能性を感じている。若者や子育て世代の流入を促進させたい」と話した。
あいりんセンターの跡地活用について有識者からは、「『西成特区構想の顔』として、多様な主体の連携とこれまでの議論を踏まえた『新たな事業スキーム』を打ち出すことが必要だ」と提言。新しい発想のもとで事業スキームやデザインを打ち出す必要性を指摘した上で、「地域と連携してつながりを持つことができるような地域貢献型事業を追及し、各種事業主体について体制や実績を検証、再構築する。外部の多様な知識と経験を生かせるよう、プロポーザル方式など幅広い分野・主体が参画できる形で事業を進めることが望ましい」と提言した。
現在の計画では、現在のあいりん総合センター、市営住宅の跡地に新労働施設、多目的広場を整備する。
現時点では、市営萩之茶屋第一住宅と大阪社会医療センター付属病院の移転と、労働施設の仮移転、あいりん総合センターに隣接する萩之茶屋第二住宅の移転についての合意が得られた。現在、二つの市営住宅と病院の移転、労働施設の仮移転が全て完了している。今後、住宅や旧労働施設の解体工事が進むとみられる。