農林水産省四国土地改良調査管理事務所は、東部幹線用水路などを対象とする国営造成水利施設ストックマネジメント推進事業として機能保全計画案を策定する。施設の劣化状況などを改めて確認し、対策の必要性などをまとめた上で、施設管理者である香川用水土地改良区に提示する。
東部幹線用水路の他、三豊市にある仁尾揚水機場、観音寺市にある井関池揚水機場を対象とする。仁尾揚水機場は口径200_のポンプ3台を有する。井関池揚水機場は口径150_ポンプが2台。
保全計画の策定に先立ち東部幹線用水路で機能診断を行った区間は東部幹線揚水機場から下流側の延長約16`。管種はダクタイル鋳鉄管で、管口径は大内ダム周辺を境に、上流側は600_、下流側は450_がメインとなっている。主に制水弁や空気弁などの弁類や弁室など付帯施設を機能診断した。不具合が指摘されている点は今後集計するが、これまでのところ弁類の発錆が多く確認されている。
ストックマネジメント推進事業は、国営土地改良事業で整備した農業水利施設の長寿命化とライフサイクルコストの低減のために、機能診断を基にした機能保全計画の策定、ストックマネジメント技術の高度化などを行うもの。2014年度に香川用水二期土地改良事業が始まる前に東部幹線用水路などの機能診断を行い、劣化が著しいと診断された箇所は香川用水二期事業で整備している。特に劣化や損傷が確認されなかった区間について、前回の機能診断調査後約10年が経過したため再度点検しており、香川用水二期事業で直した箇所も含めて施設の現状を整理する。
提供:建通新聞社