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建通新聞社(静岡)
2022/08/19

【静岡】自家警備の安全講習会 警備員不足のリスク回避

 静岡県建設業協会(石井源一会長)は8月17日と18日、建設業者の従業員が交通誘導を行う「自家警備」で受講が必須となる、交通誘導安全講習会を静岡市内で開いた=写真=。静岡県が自家警備を試行導入して3年目となる今回は、協会の非会員企業の参加も認め、2日間の講習に約170人が参加した。自家警備を巡っては、県が4月から対象路線を拡大。静岡市も5月から試行をスタートしている。
 自家警備は、交通誘導警備員を確保できない建設業者が自らの従業員に交通誘導を任せること。2017年度に国土交通省・総務省が自家警備を行う場合の要件をまとめ、全国の地方自治体に通知していた。
 県内では、東京五輪の開催を控え、警備員の確保が困難になっていた20年10月に県が試行を開始。県発注の土木工事では、警備業者3社以上と直接交渉し、静岡県警備業協会の会員企業と交渉しても交通誘導警備員を確保できない受注者が、自らの従業員に交通誘導を任せられるようになった。県発注の工事では21年度末までに9件の工事で自家警備が行われている。
 この自家警備を行う際の要件の一つが、交通誘導安全講習会の受講だ。自家警備を行う者は、交通誘導員1級・2級検定に合格するか、県建協が主催する講習会を受講しなくてはならない。17日・18日に開かれた講習会では、県警備業協会から講師が派遣され、参加した約170人が座学と実技で関係法令や交通誘導の実務を学んだ。
 講習会の受講者は今回も含め、累計で700人を超えた。東京五輪の終了やコロナ禍のイベント開催の中止などにより、一時期と比べ交通誘導員の不足は落ち着いた状況にある。ただ、受注者にとっては、交通誘導員を確保できなければ工事に着手できない事態を招く恐れもある。参加者の中には、交通誘導員が不足傾向に陥る年度末や災害発生時の応急復旧などに備え、こうしたリスクを回避しようという意識もあるようだ。
 県は21年度まで自家警備の対象を警備業法上の指定路線のうち「昼間12時間の交通量3000台未満の区間」としていたが、22年度にこの要件を廃止した。5月には、静岡市も県とほぼ同じ要件で試行を開始しており、県内の自家警備の対象路線が拡大している。

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