県が計画している「スポーツ・コンベンションセンター(新総合体育館)」と鹿児島市が実現に向けて動き出した「サッカー等スタジアム」でそれぞれの9月議会に注目が集まる。県のPFI等導入可能性調査が10月末、同市の需要予測等調査・整備検討支援は9月末をめどに中間報告を取りまとめたいとしており、進展具合が明らかとなる。建設地はどちらも鹿児島港本港区エリアとしているが、県が一歩先に進んでいる状況にあり、同市の本気度が問われる。
新総合体育館の調査は、みずほリサーチ&テクノロジーズに委託。6〜8月で想定事業スキームの検討や民間事業者意向調査などを実施。9〜10月はこれまでの調査など踏まえ、導入可能性の評価と最適事業スキーム検討等を進め中間報告を行う。
6月議会で当局は、「PFI等手法導入の適否は2023年第1回定例会で説明、議論するのではないか」と見通しを示し、配置計画は「臨港道路の廃止は難しいが付け替えなど必要性に合理性があれば検討することは可能」と前向きな方針を示している。完成は、27〜28年度。
サッカー等スタジアムは、需要予測等調査を東畑建築事務所に委託。多機能複合型の導入機能案のほか、施設整備費の試算、平面・立面図等の作成、内容を踏まえ本体整備に関する工期算出等を行う。
また、3候補地(ドルフィンポート跡地、住吉町15番街区、浜町バス車庫)ごとに付帯工等の検討も想定。県の新総合体育館との併設を目指すドルフィンポート跡地は、臨港道路南北ふ頭線の線形変更なども踏まえ詳細をまとめる。
■スタジアム構想の市民報告
11月のイベントで
今後のスケジュールをみると、中間報告は9月末をめどに取りまとめ、関係機関等と調整を図り、11月に予定しているイベントで市民に公表、最終報告は23年1月末を予定。
下鶴隆央市長は、県などと本港区エリア等のまちづくりに関する協議会を発足させる構想を表明しているが、中間報告の内容を踏まえ、立ち上げを関係者に求めたい意向を示している。また、協議会の必要性は塩田康一知事と共有していることも明らかにしている。
■議会日程
来月末に常任委
県・鹿児島市
議会日程は県が9月9日、鹿児島市は同7日(見込み)に開会。代表質問等のあと、同月末の常任委員会で集中審議が行われる。本港区エリアの管理者は県。同市が具体的に何を求めるかに注目が集まる。