国土交通省四国地方整備局による地元建設業者(一般土木Cランク)向けのインフラデジタルトランスフォーメーション(DX)モデル工事が始まる。特記仕様書に示す建設DX技術から発注者が推奨する技術や受注者が希望する技術を活用し、効果を確認する「建設DX技術活用モデル(選択肢型)」で、四国独自の取り組みの第1弾。
モデル工事の対象は松山河川国道事務所の「令和4年度今治道路五十嵐高架橋下部P47―P49工事」で、8月18日まで一般競争入札の参加申請書の提出を受け付ける。
2021年度に開かれた同局と日本建設業連合会(日建連)との意見交換会でアイデアが出されたことをきっかけに始める取り組み。地域の建設業者が使ってみたい技術を四国建設青年会議の協力を得て調査したところ自動配筋検査などの技術が上位に入ったため、今回のモデル工事では自動配筋検査などの技術をメインに推奨している。
選択肢に挙がっている技術は、1人で配筋検査が可能な「AI配筋検査システム」、配筋検査の帳票作成を省力化できる「リアルタイム自動配筋検査システム」、3次元計測技術を用いた出来形管理要領(構造物工編)(試行案)を実践する「点群データを活用した構造物の施工管理」、タブレット1台で鉄筋出来形検査ができる「リアルタイム鉄筋出来形自動検測システム(ラクカメラ)」―の四つ。これらの中から1種類以上を選んで実施する。
受注者が決まった後、使用する技術について日建連が現地で支援する予定だ。
7月26日に開かれた国交省と日建連のフォローアップ会議で、公共工事の生産性向上に関して「日建連がまとめたDX事例集を基に、四国地方整備局の発注工事で、地域ニーズに見合ったICT技術の活用などに取り組む。小規模な現場にICT技術を波及・浸透させることで、建設業界全体のDX化につなげる」と申し合わせていた。
提供:建通新聞社