「甑はひとつ」を実現する、県道手打藺牟田港線の長浜〜芦浜間を芦浜工区として県は、2022年度に用地買収を進め一部道路改良に着手するほか、橋梁詳細設計を継続する。また、未改良区間となっている中甑漁港周辺も用地買収を推進して着実に事業を進める。 甑島縦貫道は、上甑島と中甑島をつなぐ、甑大明神橋と鹿の大橋を先行して整備を行い1993年に供用。引き続き、中甑島と下甑島をつなぐ部分を藺牟田瀬戸架橋工区として事業に着手。甑大橋(1533m)やトンネル3本を含む延長5.1kmが2020年8月29日には供用。残る未改良区間となっている長浜〜芦浜間(約5km)は、20年度に事業化。
現状は幅員が狭く、カーブも多い。さらに、視距も悪い状況のため、離合の際には車両同士の接触や脱輪する車両が発生するなど、交通事故のリスクが非常に高く、緊急車両の走行にも大きな支障を来たしている。
このため、道路測量設計や地質調査等を進め、道路改良や橋梁等により隘路区間を整備。橋梁詳細設計は21年度に1件、22年度は3件を発注。一部で道路整備に入りたい考えだ。
また、県道桑之浦里港線の中甑漁港周辺(約0.3km)は19年度から事業化。拡幅を図るため用地買収を進める。
■期成会の要望活動
塩田知事 しっかり対応
甑島縦貫道整備促進期成会(会長・田中良二薩摩川内市長)は10日、鹿児島市の県庁に塩田康一知事を訪ね要望活動を行った=写真=。田中市長は「島民の悲願だった甑大橋が供用。要望区間の整備を進めるためにも、道路関連予算の確実な確保をお願いしたい」と話し、塩田知事は「道路整備は、地域の安心・安全、産業・観光の振興に欠かせない。要望を踏まえてしっかりと対応したい」と答えた。