甲賀市は、計画している信楽保育園・幼稚園の園舎整備事業について、12月定例市議会で工事費を予算措置し、来年早々に工事発注を目指す考えを明らかにした。
現在のところ、年明け出来るだけ早くに工事発注し、年度内の契約を目標としている。発注方式は検討中のため未確定ではあるが、一般競争入札が有力視されている模様。
同保育園・幼稚園は、信楽町江田969の敷地内にある、77年(昭和52年)に建設し築40年以上経過している教育棟1棟(S造平屋建、1085平方b)を分割して使用しており、屋根・屋上や受配電・給排水設備や空調等の修繕が必要となっていることから、移転新築整備を計画。建設地は、近隣にある信楽小学校が、同校内にあるプールを使用せず、可動式上屋を備える機能性の高い信楽中学校のプールを利用していることから、そこを解体し24年4月開園を目指し新園舎を整備する。その後、現園舎の解体へと進め事業完了を目指す。跡地利用は今後検討していく見通しだ。
なお、同工事に係る設計業務は、岡村設計(甲賀市)が担当している。
市の保育園・幼稚園の施設保有状況は、保育園が16園・幼稚園が1園・幼保一元化園4園―となっている。延べ床面積は計1万8259・9平方bで、建築後30年以上経過している建物が1万3126平方bで約70%の施設に対策が必要となっている。具体的な対策として、伴谷・岩上保育園等は閉園し、大野保育園、甲賀西保育園、土山保育園・土山幼稚園や甲賀西保育園南分園油日保育園は28年(令和10年)までに部分修繕を実施する。朝宮・雲井保育園は体力度調査を行い、耐震性の確認を行うと同時に施設老朽箇所・修繕必要箇所の把握に努めていく模様。
市内の幼保教育環境を見ると、子どもの育ちをめぐる環境の中で、▽核家族化の進行▽兄弟姉妹数の減少▽家庭や地域における人と人とのつながりの希薄化―などの全体課題と、老朽化が進行している教育施設が市内に多くあり、今後ますます維持管理費用が増加する傾向にある。このことから、解決に向けた取り組みを着実に進めるために市は過年度に「甲賀市幼保施設長寿命化計画」を策定。解決に向けた施策の展開を図る方針を示した。今回の改築は同計画内に示されたもので、改築を行いより安心で安全な教育環境の提供が必要との判断から行うとしている。
提供:滋賀産業新聞