京都府は10日、共同体育館整備に係る意見聴取会議(座長・上林功追手門学院大学社会学部准教授)の初会合を開催。課題と主な論点を示した。
共同体育館を巡っては、府立大学、府立京都学・歴彩館、府立植物園、府立陶板名画の庭、旧総合資料館や、京都市の京都コンサートホールなど、文化芸術・学術の施設が集積する北山エリア(約38f)について、府が総合計画でエリア構想の一つとして定めた「北山『文化と憩い』の交流構想」の実現にあたり、令和2年12月に北山エリア整備基本計画を策定(担当は有限責任あずさ監査法人(東京都新宿区))。基本計画では府立植物園の再整備、旧総合資料館跡地等を活用した舞台芸術・視覚芸術拠点施設(シアターコンプレックス)とともに、府立大学・府立医科大学・京都工芸繊維大学の共同体育館機能を有したアリーナの整備検討を盛り込んだ。
その後、令和4年3月に北山エリア整備事業手法等検討業務の報告書をとりまとめ(担当はKPMGコンサルティング(東京都千代田区))。共同体育館については、施設の規模・建設費等を延2万2700u(最大1万人収容)・175億3900万円(設計監理費・建設費)と試算した。
また令和4年3月策定の府立大学整備構想でも共同体育館を盛り込み、「大学と府民、地域におけるスポーツの拠点」「先進的な取組や多機能、多目的な利用への対応」を掲げた。
今回設置した意見聴取会議では、○府立大学、府立医大ともに体育館が老朽化しており、早期建替えが必要○学生利用を大前提としながらも、府民の資産であることを念頭に、学生利用以外に空いた時間・スペースをいかに有効利活用し、どのように府民サービスにつなげるか○北山をさらに魅力的なエリアにするため共同体育館を他施設とどのように連携させ調和を図るかなどの課題を挙げた上で、主な論点として、@共同体育館における多用途利用のあり方及び具体的な活用方法(▽府民サービスの向上につながる活用▽地域に開かれた大学として、地域住民の利便性向上につながる活用▽大学の教育・研究機能の向上につながる活用)A共同体育館における施設等の整備・運営並びにその事業手法(▽機能、施設・設備等▽施設の整備・運営の手法等)B北山エリア内の他施設との連携、周辺環境との調和を示した。
委員からは「設備を充実させてほしい。ワンフロアの面積を大きくしてほしい。全国大会を誘致できるようにしてほしい」「京都は人口に対する体育館が少ない。スポーツだけでなく、備蓄庫などがある体育館が必要」「バリアフリーの充実を」「地下鉄駅から近く利便性がいいのは大きな利点。国際会議や学会の会場などとしての利用も考えてほしい」「環境面でリーダーシップを取ってほしい」などの意見があった。