富津市は5日、「2022年度第1回学校給食運営委員会」を市役所5階503会議室で開いた。新たな学校給食共同調理場について、基本設計の内容を説明し、23年秋に着工する方針を示した。議会案件として工事発注し、24年度末までに完成させ、25年度の新学期から給食の供給を行う見込み。岡根茂教育長は、既存の学校給食調理場における就労環境や食品管理の課題に触れ、「学校給食調理場の建設をできるだけ早く進めていくことが大事」との認識を示した。
大貫共同調理場、天羽共同調理場、青堀小学校調理場の老朽化に対応するとともに、学校給食衛生管理基準に適合させるため、新施設を整備する計画。
建設地は、下飯野2509―1ほかの敷地面積約6613u。勾玉工房による埋蔵文化財発掘調査が間もなく完了する見通し。
また、造成および工作物工事の設計をケーエス・コンサルタントが9月30日までの納期で担当。工事に関しては、設計が完了次第、早期に発注し、新施設の着工までに終える。
当初予算には「学校給食共同調理場整備事業(埋蔵文化財発掘調査業務委託・敷地造成工事)」として、総額1億9145万円の2か年継続費を設定。年割額は、22年度8544万9000円、23年度1億600万1000円。
新施設の基本・実施設計業務は榎本建築設計事務所が23年3月15日までの納期で担当している。
建物は鉄骨ラーメン構造平屋、建築面積1846・32u、床面積1680・65u、高さ8・563m(軒高8・326m)、直接基礎。駐車台数35台、駐輪台数10台。
諸室は▽汚染作業区域=荷受室、検収室、食品庫、下処理室、洗浄室、特別洗浄コーナー、廃棄庫、油庫、残渣処理室、器具洗浄室▽非汚染作業区域=上処理室、揚げ物・焼き物・蒸し物調理室、和え物室、アレルギー食対応室、冷蔵室、配送風除室、コンテナ室、器具洗浄室▽調理員エリア=汚染区域前室、非汚染区域前室、調理員用更衣室、調理員用休憩等スペース、調理員用トイレ、洗濯・乾燥室、給湯室、調理員用通路等、倉庫▽一般エリア=風除室、玄関ホール、事務室、検収室前室、職員用更衣室、湯沸室、倉庫、多目的トイレ、事業者用事務室▽その他=機械室(ボイラー室)。
新施設は、最大2500食/日の給食を無理なく調理できるとともに、将来の更新に対応しやすいフレキシビリティの高い計画とする。
21年3月策定の学校給食共同調理場整備基本計画、学校給食衛生管理基準などに準拠するとともに、HACCPの概念を取り入れ、衛生的かつ安全な学校給食を提供する。特に、ドライシステムの導入、汚染作業区域・非汚染作業区域が交差しないゾーニング、施設設備の配置や調理の作業工程・作業動線などの工夫を行い、二次汚染の防止を図る。
基本計画では、実施設計・施工監理・厨房機器備品・事務用備品を含む建設工事費に13億8162万円を概算していたが、建設資材価格の高騰なども踏まえ、設計段階で精査する。