富山市と金沢大学は2日、研究協力協定に基づき市が管理する橋梁で衝撃載荷試験機「SIVE2」の実地検証を行った。大日本コンサルタントがサポートした。
「SIVE2」は道路橋床版の耐荷性能を効率よく把握するための試験機で、同大学理工研究域地球社会基盤学系構造工学研究室の桝谷浩教授が代表者となり公益財団法人JKAの補助を受けて製作。実地検証では「SIVE2」が橋梁パネル1カ所につき250キロの重さを15センチの高さから3回打撃し、衝撃を与えることで健全性が保たれているか確認した。今回は33カ所計99回にわたり打撃し、データを収集した。
これまでの橋梁耐荷力試験は、足場を組んだ上で荷重車(大型トラック)を走行させることが多く、この場合は今回の橋梁と同規模で10日ほどの時間を要していた。この日の実地検証は数時間で終了しており、コスト縮減および時間短縮に貢献することができる。
実地検証に立ち会った市道路構造保全対策課の藤田博樹主任は「橋梁の適正な維持管理・更新は市の喫緊の課題」とした上で「コストが抑えられ、効率が良い新技術は導入していきたい」と話していた。実地検証をサポートした大日本コンサルタントの横山広インフラ技術研究所技術開発部部長は「この試験機は、床版の耐荷性能を効率よく把握でき、コスト縮減にも寄与する技術」と期待を寄せている。