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建通新聞社(神奈川)
2022/08/05

【神奈川】川崎市 市立学校に太陽光パネル設置へ調査

 川崎市は、国の「地域脱炭素ロードマップ」に基づく市の取り組みとして、学校施設への太陽光発電設備の導入を進めている。本年度は全169施設で導入に向けた調査を行い、各学校の敷地内で太陽光パネルが設置できるスペースが確保できるかなど、設置の可能性や問題点などを整理する。
 殿町小学校(川崎市川崎区)など川崎市南部の56施設を協成電気(川崎市川崎区)、苅宿小学校(川崎市中原区)など中部の56施設を川又電機工事(川崎市川崎区)、平小学校(川崎市宮前区)など北部の57施設をイスズ(川崎市中原区)にそれぞれ調査を委託した。履行期限は11月30日まで。
 太陽光パネルは、おおむね校舎の屋上に設置される予定で、校舎屋上で設置が可能な空きスペースを調査するとともに、室外機などの構造物が既に置かれている、または児童の活動場所や災害時の避難場所になっているなど導入が難しい施設についても把握する。
 対象校のうち83校では既に太陽光設備が導入されているが、現在の設備の空きスペースに新たに太陽光パネルを設置できるかどうか確認する。
 既に各学校に設置されている太陽光パネルの発電量は主に10`h程度で、学校施設全体の電力消費量(通常時)の約2〜3割に当たる。新たに設置するパネルは設置スペース、日当たり、施設電気使用量などの条件を踏まえ、事業者の提案で発電量やパネルの枚数などを決定する。
 今後の太陽光発電設備の導入についてはPPA方式を活用する。事業者が各学校施設に無償で太陽光パネルを設置し、学校側は使用した電力分の料金を事業者に支払う仕組みで、契約期間は15〜20年程度を予定している。
 事業者は2023年度上半期に公募型プロポーザルで募集する。今回の調査結果を踏まえて設備を導入する学校数を決定するため、一括発注となるかは未定だ。
 国の「地域脱炭素ロードマップ」では公共施設の再生可能エネルギーの導入に関連して、30年までに設置可能な建物の半数で太陽光パネルの導入を目指している。国の目標に基づき、市では「川崎市地球温暖化基本計画」の中で事業効果の高い重点事業を示した「5大プロジェクト」の一つとして、国と同様に30年までの公共施設への太陽光パネル導入を位置付けている。
 今後は学校以外の公共施設についても調査を委託し、太陽光パネルの設置を進める。 提供:建通新聞社