笠岡市は、老朽化のため計画している新病院について必要病床数を現在と同じ99床とし、建設費40〜45億円、医療機器や解体撤去費を加えた総事業費48〜54億円と試算した。今後、基本計画の策定に向けた支援業務の委託先を決める公募型プロポーザル手続きを8月中旬にも開始する。2022年度中に基本計画を策定し26年度中の開院を目指す。
整備手法は個別発注方式、デザインビルド方式、ECI方式、PFI方式など広範囲に検討し基本計画の段階で決定する。
建築場所については現在地に加え笠岡駅付近や笠岡インターチェンジ付近を含め検討しており、現時点では用地取得や移転費用、他の病院や診療所との位置、既存棟利活用での建築費縮減などを勘案し現在地を有力な候補地としている。建て替える場合は、不整形地や建築中の駐車場確保、敷地の一部が土砂災害警戒区域にかかっていることなどの課題があるため、敷地を造成した上で、土砂災害警戒区域を避け耐震に優れた建物とする。
整備に当たっては、今後の医療制度や診療体制の変化に柔軟に対応できるよう、診察室などの部屋のレイアウトが自由にできる仕組みや病室の個室化、将来の医療ニーズに合わせて介護医療院などへの転換を検討する。
診療科目は、内科、整形外科、小児科、リハビリテーション科、泌尿器科の他、医師の確保が可能であれば、皮膚科など他の科目も継続する。
既存施設は、本館(1963年度、65年度完成)、A棟・B棟・C棟(いずれも81年度完成)、南棟(2003年度完成)の5棟で構成される鉄筋コンクリート造5階建て延べ約1万1400平方bの規模。敷地面積は1万2568平方bで駐車場130台分を確保している。本館は建築年度がかなり古く耐震補強もできないため撤去または改築による対応が、またA棟・B棟・C棟についても耐震補強工事が必要とされており、唯一耐震強度があるのが南棟となっている。老朽化から給排水管のトラブルや雨漏りが頻発。また、廊下の幅が狭いなど病院の運営に支障をきたしている。所在地は笠岡5628ノ1。
基本構想策定支援業務は病院システム(東京都豊島区)が担当した。
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提供:建通新聞社」