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建通新聞社(静岡)
2022/08/03

【静岡】土砂基準適合の証明 発注者が地歴資料作成

 静岡県は、盛土条例の施行に伴う交通基盤部発注工事での建設発生土に関する対応を整理し、土木事務所などに通知した。通知では、残土処分場に土砂基準適合を証明するための地歴調査は、発注者が資料を作成すると明記。地歴調査の結果、汚染の恐れがある場合の土壌調査(分析調査)も、発注者側が必要経費を負担する方針を示した。県内の処分場には、残土処分費の値上げの動きもあり、処分場に改めて見積もりを依頼し、必要があれば各工事で使用する「残土処分費一覧」を見直すことも指示した。
 盛土条例では、盛土に使う土砂の汚染を防ぐ土砂基準を定めている。条例で盛土とみなされ、このため、県知事の許可が必要になる残土処分場の中には、建設業者が土砂を搬入する際に基準適合を求めるところもある。
 公共工事から残土処分場に搬出される土砂も、土砂基準への適合を求められるため、基準適合を証明する手順・方法をまとめ、土木事務所や静岡県建設業協会(石井源一会長)、県内の市町などに通知した。
 処分場に持ち込む土砂の汚染状況は、まず土砂の発生場所が分かる図面と土地利用履歴が分かる資料(土地・建物の登記簿など)で地歴を調査し、汚染の恐れのある場合に分析調査を行う。交通基盤部の発注工事では、受注者が地歴調査を行う民間工事と異なり、発注者自らが地歴調査資料を作成。大規模事業では、事前に委託する用地調査の中で、地歴調査を行うこともあるという。
 土砂に汚染の恐れがあり、分析調査が必要な場合は、各工事に調査費を積み上げ計上し、発注者側で費用を負担する。調査費の単価は最新の物価資料(建設物価、積算資料)の単価を採用する。調査は計量法に基づく登録を受けた計量証明事業者に依頼し、調査結果と計量証明書を残土処分業者に提出する。
 県が条例施行後に行ったアンケート調査によると、残土処分場の半数が処分費を値上げする意向を示したという。このため、年度末に例年行う残土処分費の見積もり依頼を残土処分場に再度行い、条例施行後の値動きを積算に反映させる。残土の受け入れ場所や受け入れ場所までの距離、受け入れ条件などを設計図書で施工条件として明示したり、土砂を搬出する処分場を指定する「指定処分」の徹底も指示した。