熊本城の復旧を進めている熊本市は、飯田丸五階櫓の復旧と数寄屋丸二階御広間の解体保存に向けた設計業務に着手した。2025年度に工事発注する方針だ。
熊本地震では、13棟の国指定重要文化財建造物と20棟の再建・復元建造物が被災し、うち7棟は倒壊、石垣は全体の約3割の約2万3600平方bが被害を受けた。地震から22年後の2038年度完了を目指し復旧作業が行われている。
飯田丸五階櫓は、W造5階建延べ503平方bの規模で、2001年に復元された。地震では「奇跡の一本石垣」として隅石が櫓を支えていた。櫓は解体され部材を保管庫で保存。石垣の復旧作業が続いている。設計は日本建築研究所が担当し、24年3月19日を期限に部材の補修検討、櫓と素屋根の復旧設計を進める。予定予算額は9億4000万円で、25年度に工事発注する。
1989年に市制100周年を記念して復元された数寄屋丸二階御広間は、W造2階建延べ821平方bの規模。地震で石垣が一部崩落し、建物にたわみが発生している。解体保存設計はノーベル設計が担当。数寄屋丸のほか、南大手門W造330平方bと南大手門続塀33bの解体保存、部材格納庫S(プレハブ)造8棟1462平方bの設計を進めている。履行期限は23年3月20日。南大手門と続塀を同年6月頃、数寄屋丸を25年6月頃に発注する。5億200万円。
ほか、今年度は本丸御殿大広間の復旧設計業務を一般競争で計画している。6000万円以上7000万円未満。
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