山武郡市環境衛生組合は7月29日、山武市にある組合事務所2階会議室で「ごみ処理施設建設計画検討委員会第2回会議」と、新ごみ処理施設の処理方式などに関する「諮問書手交式」を開いた。新ごみ処理については、循環型社会形成推進交付金の活用による高効率発電や余熱利用を検討している。オンラインで参加した河井紘輔会長(国立環境研究所)は「処理能力は日量80t(40t×2炉)の計画だが、プラスチックを焼却しない場合、発熱量や処理能力が下がるため、高効率発電は難しくなる」と述べ、「処理能力については、今後も議論していく必要がある」との見解を示した。また、田中一幸副会長(日本環境衛生センター)は、余熱利用に関し、「建設予定地は市街地から離れており、需要を見込むのは厳しいのではないか」と指摘した。
諮問書手交式では、松下浩明管理者(山武市長)が、田中副会長に諮問書を手交。諮問内容は、新ごみ処理施設の処理方式のほか、分別収集資源化方式、公害防止基準の選定に関すること。
松下管理者は、山武市が6月2日に「ゼロカーボンシティさんむ」を宣言したことに触れた上で「カーボンニュートラルを目指すべく、脱炭素社会に考慮した理想的なごみ処理施設になるよう答申していただきたい」と話した。
新ごみ処理施設の建設予定地は、山武市松尾町金尾地先の現有施設の東側隣接地。敷地面積は約4万5000u。
新ごみ処理施設の処理能力は、日量80t(40t×2炉)の計画。併せて、リサイクル施設を整備する計画で、処理能力は日量18・5tの想定。
エスイイシイが、PFI等導入可能性調査業務を2023年3月1日まで、また基本設計策定業務を24年3月29日までの納期で担当している。25年度の着工、28年度の稼働開始を目指している。
建設費として、新ごみ処理施設に約88・4億円、リサイクル施設に約18・2億円を見込む。
循環型社会形成推進交付金を受けるには、「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」の施行に伴い、プラスチック使用製品廃棄物の分別収集・リサイクルが要件となっている。
今後は、8月中旬に協議を行い、9月に銚子市にある東総地区クリーンセンターを視察する予定となっている。