庄川水系流域委員会(委員長・玉井信行東京大学名誉教授)の第3回会合が7月29日、北陸地方整備局富山河川国道事務所大会議室(一部テレビ会議)で開かれ、庄川水系河川整備計画に基づく利賀ダム建設事業の再評価を審議し、事業継続が妥当との方針を示した。
利賀ダム(南砺市利賀村)は洪水調節や流水の正常な機能維持、工業用水を目的に堤頂255メートル、ダム高112メートル、堤体積約49万立方メートル、総貯水容量3110万立方メートルで、庄川水系利賀川において重力式コンクリートダムとして計画。2024年度にダム本体工事に着手、31年度の完成が予定されている。
総事業費約1640億円のうち、22年度末執行済額(予定)が約582億円で23年度以降の残事業費が約1058億円。事業に必要な用地のうち71%が取得済みで、家屋移転は100%完了。ダム本体建設に必要な工事用道路11・7キロのうち88%で着手済み。21年度には河床進入トンネルが貫通、転流工にも着手した。トンネルなど掘削ズリのダム本体骨材への転用や選択取水設備の簡素化などコスト縮減も図られ、事業進捗の見込みからも継続が妥当とした。