2022年度の建設事業関係功労国土交通大臣表彰に、高尾建設代表取締役で富山県建設業協会常任理事の高尾道明氏が選ばれた。
13年から同常任理事、18年から富山市建設業協会の会長を務めるなど、多年にわたり建設業に精励し、関係団体の役員として地方業界の発展に尽力。「賞をいただけるとは思っていなかった。表彰式で大臣のお言葉などを聞き、あらためて受賞を実感し感激した」と率直に喜びを語る。同社は立山砂防や常願寺川治水、有峰電源開発などの工事を手がけ、23年に創業100周年を迎える。「地域を大事にしてきた。地域に根ざし、地域を守っていくことが国を守ることにつながる。その姿勢はぶれずに、さらなる業界発展に努めていきたい」との決意を示し、公共福祉の増進や地域振興に最大限貢献していく。
公共投資の縮減が長らく続き、「建設業にとってはまさに死活問題で、大きな痛手だった」と振り返る。防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策に続き、5か年加速化対策が始動し、「公共事業予算は安定的に確保されつつあるが、地域の安全・安心のためにはインフラ整備はまだまだ必要」と持続的な事業量の確保を求め、地域の守り手としての役割を果たし続ける。社会インフラは、世代を超えて共有する資産。「その整備を担う建設業は、今後も欠くことのできない産業。時代や社会の流れに的確に対応し、引き続き良質な社会資本の整備を心がけていく」と力を込める。
現場を支える人材の不足が業界の大きな課題となっている。「担い手の確保・育成に向けて、週休2日制の導入も進んでいる。若者から選ばれる業界でありたい」とし、魅力ある職場づくりを推進。働き方改革、ICT活用による生産性の向上を図るためにも、「建設企業としての経営力をつけていかなければならない。各工事現場で利益を上げることが鉄則」と捉え、経営基盤や技術力の強化を目指す。
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たかお・みちあき 1963年生まれ。日本体育大学卒。高校教諭を経て、1991年に高尾建設入社。旧大山町の町議や町長、富山市議1期などを務めた。富山市本宮。59歳。スキーで国体優勝の経験を持つ。