香川県は、5月に危険な盛土を全国一律の基準で規制する「宅地造成及び特定盛土等規制法」(盛土規制法)が成立したことを受け、「香川県土砂等の埋立て等による土壌の汚染及び災害の発生の防止に関する条例(案)」をまとめた。面積3000平方b以上の盛土や埋め立てに県の許可を必要にする。
県では「みどり豊かでうるおいのある県土づくり条例」の運用の下、1万平方b以上(地域森林計画対象民有林は1000平方b)の土地開発行為に事前協議を義務付けているものの、農地や市街地周辺部の比較的小規模な盛土などへの対応が課題となっている。
2021年7月の静岡県熱海市の大規模な盛土崩落被害や、他県の動きを踏まえ、現行の法規制の対象外となる農地や市街地周辺部の比較的小規模(1万平方b未満)な盛土などに対しても崩落防止だけでなく、生活環境の保全を明確に位置付ける。
国や地方公共団体が行う埋め立てなどを除く3000平方b以上の盛土や埋め立て、堆積には県の許可を必要にする。土地所有者などの同意や周辺地域住民への周知、市町長の意見聴取、許可基準(欠格要件、事業継続資力、表土基準、災害防止措置、構造基準、浸透水採取措置など)に適合するかを審査する。
県の許可後、事業者は埋め立てなどに必要な手続きとして▽着手の届け出▽土砂などの搬入届け出(採取場所証明書の提出)▽展開検査の実施▽土砂など管理台帳の作成、施工状況の定期的な報告▽水質(浸透水)調査の実施▽標識の掲示、境界標の設置▽関係書類の閲覧・保存▽完了の届け出―を行う。
無許可の埋め立てや、必要な手続きの不履行に対して、許可取り消しなどの行政処分の他、2年以下の懲役か100万円以下の罰金など罰則を設ける。
県民意見の反映手続き後、22年度内に公布し、23年度に施行する予定だ。
提供:建通新聞社