滋賀県湖東土木事務所は、管内の1級河川「芹川」の、当面の整備目標である次期整備計画の河口から2・9q区間における河道計画の策定業務を近く委託する。今年度まとめる見通しの河道計画が順調に盛り込まれれば、次期整備計画にのっとり24年度以降、河積拡大に向けた改修整備等の基本設計から詳細設計、改修整備の着手へと、順当に進めていきたい考えだ。
今年度委託(8月2日開札)するのは、湖東圏域河川整備計画(変更)策定にあたっての基礎資料となる、芹川の次期整備計画区間となる彦根市長曾根町(芹川河口)から同市芹川町のJR琵琶湖線直下流までの延長2・9qを対象とした河道計画の策定業務。1級河川芹川における正常流量について、最新の統計資料をもとに現行整備計画からの見直しを行う。委託期間は23年3月17日まで。
13年に策定された現在の淀川水系湖東圏域河川整備計画では、河口から4qを対象に、治水対策として流下能力が低くなる原因となっている堆積土砂の除去などを推進。次段階の整備ではこのうち約2・9qを対象に、河積拡大を図れる整備手法を模索する考え。
芹川は、霊仙山西斜面に源を発し、主な支流の「南谷川」(権現谷)、「水谷川」および「四手川」などを合流しながら多賀町の山間部から田園部を通過して、彦根市の市街地を貫流して琵琶湖に注ぐ、流域面積約65平方q、幹線流路延長約17qの河川。
上流の河谷には深いV字谷が見られ、特に権現谷は比高400bの急斜面に挟まれた大渓谷。中下流部では扇状地を流れ、JR東海道本線橋梁から下流は慶長年間の河川の付け替えに伴う築堤区間となっている。芹川の想定はん濫区域には彦根市の人口・資産が集中し、また中流部の狭隘部、下流部の築堤区間で流下能力が小さくなっている。
提供:滋賀産業新聞