黒潮町は2031年度までの10年間を対象とする「公共施設等総合管理計画」をまとめた。長寿命化に向けた改修や計画的な予防保全を行い、トータルコストを縮減することを基本とする。建て替えに関しては、施設の必要性や利用者数なども考慮し、他施設との複合化や適切な規模への更新を行う。こうした取り組みを進めることで、今後40年間に公共建築物の総延べ床面積を20%削減することを数値目標として掲げている。
同計画では施設の類型ごとに管理に関する基本的な方針を定めた。このうち集会施設については、南海トラフ地震による津波浸水予測区域内にある施設は地域内の高台移転を含めた検討を行い、区域外で耐震性が確保されていない施設の耐震化に取り組む。
産業系施設では、畜産施設の老朽化が進んでいるため大規模修繕に向けた検討を行う。学校施設は開校中の主要施設の耐震性は全て確保されているが、旧鈴小学校については有効利用に向けた検討を進める。子育て支援施設に関しては、休所中の3保育所で利用方法を検討する。
保健福祉施設は、耐震性が確保されていない老人憩いの家が3件ある。津波の浸水予測区域外にある建物は耐震化の検討を進め、区域内の建物は高台移転による建て替えも視野に入れる。医療施設では鈴診療所と伊与喜診療所が未耐震だが、補強が困難で利用頻度も少ないことから、耐震化ではなく利用時の安全性確保に向けた対策を行う。
公営住宅については、古い施設が多く耐震化が未実施の改良住宅団地を順次建て替える。行政系施設では、佐賀庁舎の耐震化が完了しているものの老朽化が進んでいるため、現施設の維持管理を行いながら、施設の更新時期を見据え、建て替えの検討も進めていくことを示した。
提供:建通新聞社