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建設経済新聞社
2022/07/19

【京都】全面改築の向日が丘支援学校 旧済生会京都府病院施設を賃貸借 既存校舎等解体へ設計着手も

 京都府教育委員会はこのほど、現地で全面改築を行う府立向日が丘支援学校の工事期間中の仮設校舎となる旧済生会京都府病院施設について、社会福祉法人恩賜財団済生会支部京都府済生会(長岡京市)と仮校舎賃貸借契約を行った。
 改築計画によると、令和4年度は仮設校舎となる旧済生会京都府病院施設の改修工事を行う。学校敷地に出入りする多くの工事車両と児童生徒の動線が錯綜することや、工事に伴う騒音が予想されることから、児童生徒の安心安全の確保のため、一時的に仮移転する。旧済生会京都府病院施設を府教委が借り、学校施設としての利便性を高める改修を行う。仮設校舎の実施設計は丹生建築事務所(舞鶴市)が担当。
 また令和5年度からの支援学校の既存校舎等の解体工事を見据え、解体設計にも着手し進める。府教委は13日、支援学校解体工事設計を指名競争入札で通知した。7月28日に開札し、担当業者を決める。設計工期は令和5年2月28日。
 令和5年度は、継続して仮設校舎改修工事を進め、完了後、仮設校舎の利用を開始する。その後、既存校舎等の解体工事に着手(〜6年度)。解体が完了したところから順に埋蔵文化財調査を進める(〜6年度)。6年度中に契約し、7・8年度に改築工事を進め、9年度に仮設校舎から新校舎に移転する予定。
 長岡京市井ノ内朝日寺の市街化調整区域にある向日が丘支援学校は、築約50年が経過し、施設全体の老朽化と近年の生徒数の増加傾向や特別支援教育の方針に伴う教室不足等により、校舎を改築する計画。校舎改築工事の基本・実施設計は内藤建築事務所(京都市左京区)。
 新校舎はRC造2階建一部3階建、延1万3184・2u。フロア構成をみると、1階の南東側に生徒入口、玄関ホールと配置。中央部分にランチルームを置き、ランチルームを中心に小学部、中学部、高等部を配置し、また中庭を囲むように教室やプレイルームを配置する。自立学習室、からだ学習室、ことば学習室や接客実習室、食品加工実習室、木金工実習室、窯業実習室、農園芸実習室や、「まなびモール」などを配置する。西側に体育館(アリーナ。バスケットコート・公式28m×15m他)を配置する。
 2階は、中央部分にICT環境のためのメディアセンターを配置。中庭を囲む教室の配置は1階の小学部、中学部、高等部と同じ。美術室、家庭科室、音楽室などの特別教室や職員室を配置する。
 3階は、屋外プール(4コース)と室内温水プールを配置。実社会での生活をシミュレーションできる生活実習室を集約して配置する。また中央部分の2階屋上となるスペースには10kwの太陽光発電システムを設置する。
 新校舎は低層の建物とし、屋根は勾配屋根とする。内装には木材を多く使用する。1階の「まなびモール」の廊下幅は約5mで通常より広くとる。3階の生活実習室は、車いすに対応した仕様とする。玄関、トイレ、浴室、LDK、和室を収容。LDKと和室の間の建具を改造すると一体的に利用にできるようにする。
 体育館は地域統合型スポーツの拠点となるよう、車いすバスケットが可能な面積を確保する。
 支援学校の配置計画によると、敷地西側にグラウンドを配置する。その東側に新校舎を配置。一つの建物が大きいため、中庭を3ヵ所配置し、採光や通風を確保する計画。
 府教委が進める支援学校改築に並行して、敷地南側の隣接地に長岡京市が共生型福祉施設を建設する計画。この共生型福祉施設との共有ゾーンとして、支援学校敷地に「みんなの広場」を配置。共生型福祉施設との連携や地域交流に活用する空間とする。また「みんなの広場」の東側に隣接する送迎車待機スペースはフラットなオープンスペースとし、「みんなの広場」と一体的に活用できるようにする。