農林水産省中国四国農政局岡山南土地改良建設事業所は、国営施設機能保全事業として取り組む小阪部川ダム(新見市上熊谷)関連施設の更新工事を進めており、このほどダム取水口主制水ゲート更新などの検討に着手した。2023年度には同ゲート関連工事を進め、堤体の部分的補修や整備中の農業用放流バルブの建屋工事なども行い、24年度内の完成を目指している。
1948年から55年にわたり国営小阪部川農業水利事業で整備された小阪部川ダムは、造成後60年以上が経過し、経年劣化などが著しいため2014年度から国営施設機能保全事業「小阪部川地区」として保全整備を進めている。
取水施設で未整備の取水口主制水ゲートは、現状高さ2・2b、幅2・7bの鋼製ゲート。堤体は全体の健全性が確保されているため部分的な補修を想定。今回の検討調査により取水塔変状検討、副制水ゲート健全性評価、主制水ゲート仮設検討、堤体補修対策検討などを行い、整備内容や施工計画を固める。工事は工種別に発注する見込み。
検討業務はNTCコンサルタンツ(岡山市北区)が担当し、納期は23年1月23日。
放流施設は、水圧鉄管口径1800_を整備中で、今後、工事の最終段階では操作室を建設し完成する。
小阪部川地区の保全整備は、主にダム関連施設整備を進め管理施設建設を完了、総事事業費45億円を投じて24年度までに残る工事を完了し、岡山、倉敷、総社各市と早島町の3市1町、受益面積6730fの農業用水確保と農業基盤の安定化を図る。
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提供:建通新聞社」