建通新聞社(静岡)
2022/07/15
【静岡】県営住宅に「ZEH−M−Ready」
静岡県は、2022年度以降の県営住宅の建て替え事業で、「ZEH−M−Ready」(ゼッチ・エム・レディ)を満たす整備基準を採用することを決めた。新住棟の外皮の断熱性能を大幅に高める他、屋上に太陽光発電設備を設置し、ZEH−M−Readyの基準である年間1次エネルギー消費量50%〜75%の削減を目指す。22年度に工事に着手する七尾A、駒越1、南平A、原の4団地にこの整備基準を初めて適用する。
ZEH−Mは、断熱性能の向上や高効率設備の導入、再生可能エネルギーの導入によって、年間の1次エネルギー消費量の収支をゼロにした集合住宅。建築物省エネ法で定める基準値に対し、1次エネルギー消費量を100%削減するとZEH−Mとなり、削減量に応じ、「Nearly ZEH−M」、「ZEH−M−Ready」、「ZEH−M−Orientedの順に求められる削減量が少なくなる。
県は、老朽化した県営住宅の建て替えを加速することに合わせ、このうち再生可能エネルギーを含む削減量を50〜75%とするZEH−M−Readyを県営住宅の整備基準に採用する。
具体的には、外皮(壁、床、天井、屋根)の基準に住宅品確法の等級5に当たる強化基準を採用して省エネによる1次エネルギーの削減量を20%以上とし、不足する削減量を太陽光発電設備の設置によって賄う。新住棟が1棟50戸の場合、発電容量は40〜50`h程度が必要になるという。
これらの対応により、建て替え工事のコストは
従来よりも約1割上昇する見通しだが、脱炭素化を優先して国よりも高い整備基準を設ける。
新しい整備基準を適用するのは、22年度に建て替え工事に着手する県営住宅のうち、七尾A(熱海市、32戸)、駒越1(静岡市清水区、52戸)、南平A(浜松市西区、50戸)の3団地の他、PFI方式を採用する原(沼津市、250戸)でも、PFI事業者にこの整備基準の採用を求める。