京都府は11日、向日町競輪事業外部有識者会議の初会合を開催。向日町競輪事業の状況とこれまでの経過を報告し、意見交換を行った。
京都向日町競輪場(向日市寺戸町)は昭和25年11月15日に設置。敷地面積は5万6535u。収容人員は約2万人(うち特別観覧席が407席)。走路(バンク)は周長400m、最大傾斜角度30度。スポーツ施設として、陸上競技施設(100直線・200mトラック・三段跳び兼走り幅跳び)、球技施設(テニスコート、卓球場)がある。このほか、BMXフリースタイルコース(包括委託先が設置)。
平成10〜14年度、平成21〜22年度は単年度純収支が赤字だった。平成21年3月に向日町競輪事業検討委員会を設置し、23年2月に報告書をとりまとめ。その後、23年12月に山田啓二知事(当時)が府議会で「競輪事業の存続は非常に厳しい」と答弁した。
業務の効率化と収益改善を図るため、包括民間委託を導入。委託内容は車券の発売、払戻金の交付、ファンサービス、広報、保守、警備、清掃等。委託期間は第1期が平成29年4月〜令和2年3月(3年間)で、第2期が令和2年4月〜7年3月(5年間)。
平成31年12月に西脇隆俊知事が府議会で「黒字基調であるため、廃止を急ぐ状況にはない」と答弁した。
令和2年度には夜間に無観客で行う「ミッドナイト競輪」(FU)開催のため、包括民間委託先の日本写真判定梶i現・鰍iPF)が整備主体となり、ナイター設備(▽照明専用柱20基(3or5個のLEDライト設置)▽壁付け3基(3個のLEDライト設置)▽自家発電装置一式▽制御装置・演出照明システム一式)を整備(京都府がファイナンスリースによる借上)。令和3年6月にミッドナイト競輪の本場開催を開始した。
その後、令和4年3月に包括外部監査の報告書がまとまり、「新たな第三者委員会により、向日町競輪事業の存続に関する再検討を早急に行うべき」「現在、安定した収支黒字を計上しながら一般会計への繰出しを継続的に果たしており、今後はこれまで以上の収支黒字も見込まれている。また施設の老朽化の課題も将来収支シミュレーションの結果を踏まえると、施設の建替えに必要と見込まれる資金を中期的に償還することが可能と試算されたことから、現在の状況から客観的に判断すれば、競輪場を廃止すべきと考える要素は消失しており、向日町競輪場は存続させるべきと考える」などの意見を踏まえ、向日町競輪の今後の事業運営について幅広い視点から意見を聴取することを目的に外部有識者会議を設置した。委員は6人で任期は2年。