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日本工業経済新聞社(群馬)
2022/07/11

【群馬】建築課が2022年度の大規模建築物の耐震化状況示す

県建築課は、2022年6月末時点の要緊急安全確認大規模建築物の状況を明らかにした。ホテル・旅館の13施設で震度6〜7の地震に対して倒壊・崩壊の危険性がある、もしくは高いとされている。各施設で耐震化などの対応方法を示しているが、新型コロナウイルスなどの影響で3施設が工事の先送りや着手時期を未定に変更している。直近で工事着手を予定しているのは草津ナウリゾートホテル(草津町)で、25年6月の着手を目指している。
県が所管しているのは、建築主事を置き独自にまとめている所管行政庁の前橋市と高崎市、桐生市、伊勢崎市、太田市、館林市を除く29市町村にある施設。
対象はホテル・旅館や学校施設、体育館、病院、行政施設などの大規模な建築物かつ旧耐震基準で建てられたもの。そのうち、倒壊・崩落の危険性が高い施設をT、危険性がある施設をU、危険性が低い施設をVとして区分している。
22年度時点でホテル・旅館の11施設を危険性が高いTに区分、2施設を危険性があるUとしている。また、大泉町庁舎は危険性があるとしてUに区分している。
ホテル・旅館で危険性がある・高いのは◇伊香保グランドホテル(渋川市)◇ホテルきむら(渋川市)◇森秋旅館(渋川市)◇よろこびの宿しん喜(渋川市)◇草津温泉ホテル一井別館棟(草津町)◇草津温泉ホテルリゾート(草津町)◇草津白根観光ホテル櫻井本客殿(草津町)◇草津ナウリゾートホテル(草津町)◇ホテル大東館(草津町)◇喜びの宿高松(草津町)◇源泉湯の宿千の谷(みなかみ町)◇源泉湯の宿松乃井(みなかみ町)◇水上館(みなかみ町)−の13施設。
大泉町役場は21年度は危険性の高いTに区分されていたが、建て替えの方向性を示したためUに変更している。
旅館・ホテルの今後の対応は次のとおり。
【伊香保グランドホテル】
危険性の高いTに区分。1号棟と2号棟、客室棟で耐震改修を予定。3棟とも耐震補強設計が完了しているものの、工事時期は未定としている。
【ホテルきむら】
高砂棟とロイヤル棟が対象で、補強設計は完了。工事の時期は未定としている。安全性の区分はTとなる。
【森秋旅館】
本館や新館など5棟で耐震補強を計画している、設計は完了しているが、工事時期は未定。区分はTとしている。
【よろこびの宿しん喜】
安全性の区分はT。東棟、西北棟、西南棟で耐震改修を行う。工事時期は未定。
【草津温泉ホテル一井別館棟】
21年に第1期工事を完了させているため、危険性の高い区分Tから危険性のある区分Uに変更。24年7月の完了を予定している。22年度は工事を行っていない。
【草津温泉ホテルリゾート】
高層棟と低層棟で耐震補強を予定。設計を進めているところで、工事実施時期は未定。
【草津白根観光ホテル櫻井本客殿】
危険性のあるUに区分。50H・50L・53H棟で耐震改修の設計が完了しているが、工事時期は未定としている。
【草津ナウリゾートホテル】
A・B・Cの3棟で耐震補強を予定。設計は完了している。工事の実施時期は、21年の状況から1年先送りとなり25年6月〜28年5月にしている。危険度はT。
【ホテル大東館】
危険度の高い区分Tに該当。高層棟A・同B、低層棟、宴会場棟の耐震補強を予定。設計は完了しているが、施工時期は未定。
【喜びの宿高松】
A〜F棟が対象。今後の方針を未定としている。危険度の区分はT。
【源泉湯の宿千の谷】
A〜D棟で耐震改修を予定。危険度の区分はTで既に耐震補強設計済み。21年8月から工事に着手する見込みであったが、未定へと変更している。
【源泉湯の宿松乃井】
危険度の高いTに相当。9棟で耐震改修を予定しており、耐震補強設計は完了している。23年8月からの工事予定であったが未定へ変更した。
【水上館】
新本館など4棟で耐震改修を予定。設計が完了しているものの、工事着手時期は未定。危険度の高いTに該当している。