一般財団法人・守山野洲市民交流プラザと椛コ田製作所(京都府長岡京市)、そして守山市の3者で展開している「JR守山駅東口における新施設整備事業」のうち、勤労者福祉拠点となる「新都賀山荘」を東口トイレ周辺に再整備する予定の守山野洲市民交流プラザは、その施工地を再検討する考えを明らかにした。
これは、3者が東口における人・車などの動線のあり方について協議している「東口全体のあり方検討」の中で、既存のJR貨物を活用し東口ロータリーを再整備することで効率的な機能上昇が図れることに加え、約5000平方bの土地を確保できることに対する具現化方針を検討する中で生じたもの。当初計画通り東口トイレ周辺で再整備を図ると、新都賀山荘がビルに囲まれる形となり、日照などの問題が発生することなどから整備地として望ましくないと判断され、施工地の再検討が行われることとなった。
施工地選定に係る具体的なスケジュールは、東口全体の最も望ましい土地利用について大所高所から再検討する必要があるため現在のところ未定。新ロータリーに面する好立地で早期に整備着手できる配置を念頭に協議を進めていく見通しだ。
整備手法は当初計画通り設計施工一括発注方式(DB方式)を採用する考え。施工地選定後、速やかに担当業者を決定する。
都賀山荘は、昭和55年に市民交流の活発化を目的に「守山市野洲郡勤労福祉会館」として建設。これまで駅前の賑わい・文化教養講座・勤労者福祉などの拠点として多くの市民・県民に利用されてきた。しかし、コロナ禍による経営悪化、村田製作所による研究開発拠点整備の意向、市における税収・雇用確保の重要性を踏まえ、既存施設の解体を決定。解体跡地を村田製作所の新研究開発拠点地として同社に提供、宿泊事業から撤退し必要機能を集約したコンパクトな「新都賀山荘」を既存施設隣接に建設することとした。
建物規模は、現段階では延800〜1000平方b程度を想定。140平方bのレストランや大会議室兼バンケットルーム、小会議室や事務所・店舗などが設置されていく見通しだ。
なお、守山市と村田製作所は去る4月、守山市が用地取得した約1638平方bと、現行の市有地8329平方bの計約9967平方bの売買契約を締結。ここに、同社が開発拠点施設を建設していく。設計・施工担当業者は竹中工務店(大阪市中央区)に選定済み。来年度には新施設の建設に着手し、25年度内の新施設完成・開業を目指していく方針だ。
新施設整備概要は、約128〜200億円(建物・償却資産含む)を投じ、雇用人数を1000〜1600人程度確保、建築面積延3万2000〜5万平方bの施設を建設する。基壇部を設け上層へ絞り込むスマートな外観や、駅側の建物正面にはフェンスを設けず、地域住民も通行できる歩道状空地の設置・地球環境に配慮した緑化整備等を検討している。また、地元企業や企業者との連携、さらには子どもたちへのSTEAM教育(理系をベースに時代を切り拓くための教育)を提供し、地域の発展にも寄与していくとの考えも示している。
提供:滋賀産業新聞