県内で進む地域高規格道路の整備状況をまとめた。島原・天草・長島連絡道路(3県架橋)は橋梁設計に必要な基礎データ蓄積に向け調査(風と地震観測)を継続。都城志布志道路の残る志布志道路では大型工事となる橋梁上部工架設を加速する。また、北薩横断道路の広瀬道路には積極的な投資が行われる。
3県架橋の区間は、長崎県島原半島から熊本県天草(早崎瀬戸)間の約4500m(島原〜天草架橋)と熊本県天草から鹿児島県長島(長島海峡)間の約2000m(天草〜長島架橋)で二つの長大橋検討が進められている。
これまでの経緯をみると、1994年12月に地域高規格道路の候補路線に指定。96年度から、国が環境基礎調査や経済調査等を実施。2008年度以降は行われていないが、関係3県(長崎、熊本、鹿児島)では調査再開の要望と基礎データ収集を継続している。
都城志布志道路は県境部分等の開通により本県側では残事業が志布志道路のみ。今年度は11億円の配分があり、県ではPC上部工3件(137.2m、97m、84.4m)、下部工2件の構造物のほか、地盤改良、法面工、道路改良を進める。
宮崎県側の残事業は、直轄区間の都城道路U期(5.7km)のみで、24年度の完成を目指している。
北薩横断道路は広瀬道路に16億2000万円を計上。道路改良や法面工、橋梁上部工等を継続的に推進。21年度から着手した宮之城道路(10km)では5000万円の配分があり用地測量を継続する。また、20年度に事業化された溝辺道路(14km)では地質調査等を進める。阿久根高尾野道路(9km)では8億7000万円を充て、橋梁上下部工等の発注を見込む。
大隅縦貫道の吾平道路(4.2km)は5億円を計上。橋梁下部工や樋管工、流末水路工などのほか埋蔵文化財調査を継続。吾平大根占田代道路は県道鹿屋吾平佐多線を活用しながら、線形改良等により災害に強い道路網を形成する。延長は16kmが対象で今年度10億円を計上。道路詳細設計や基準点測量等を委託する。
■鹿児島東西道路
北側歩道で基礎杭撤去
九州地方整備局鹿児島国道事務所が担当している国道3号鹿児島東西道路の整備は、立坑内でシールドマシンの組み立てに3月16日から着手。23年5月末ごろの完了予定でその後、早期の掘削着手を目指す。また、曙陸橋(北側歩道)はトンネル掘削に支障がある基礎杭の撤去を継続する。
シールドトンネルの延長(下り)は2319m、幅員は8.5m、施工は大成建設・大豊建設JVが担当。本体工事後は、2期工事の地中拡幅(非常駐車帯、非常口設置)を行い、換気設備、道路照明、標識を設置して舗装を行って完成の運びとなる。