竜王町は、事業推進している竜王小学校移転新築整備について、近く実施設計業務を公告し、9月頃には業者選定へと進めていく方針だ。
プロポーザル・コンペ・一般競争―の3種で検討を進めていた発注方式は、プロポーザル方式の採用が内定しているとのこと。委託期間は約12ヵ月程度を想定。委託費を当初予算で準備費として既に確保している2億2097万円を活用していく考えだ。
工事については、早くても23年度後期もしくは24年度からとなる見通し。工期は24ヵ月程度(2ヵ年)を見込んでいる。なお、昨今の資材高騰や材料不足が今後どのような解決・変化を見せるか流動的であることから、工事発注の際は、今後の社会・経済情勢や資材流通状況に注視して柔軟に対応していく考えだ。
竜王小学校は、71年(昭和46年)建設で、規模は校舎棟は3棟(3階建及び平屋建)、計延4611平方b、体育館は平屋建、延1113平方b、建物敷地1万9078平方b、運動場敷地2万1190平方b。新小学校の移転地は、同町綾戸1021にある町立図書館北側の約3万平方b。ここに、既存小学校と同規模程度の小学校を建設する方針で、スケールの大幅な変更は予定していないが、バリアフリー化や、防災・地域コミュニティースペースの設置が加えられる見通し。移転整備を皮切りに竜王幼稚園・学校給食センターなどの文教施設の移転・集約整備や、防災機能を付加した公園、共用駐車場などを配置する工事についても整備が進むよう、併せて説明し理解を求めている。
同事業は町全体で概ね10年後の完成を目指す「竜王町コンパクトシティ化構想」に基づく町役場周辺での中心核整備事業の中のリーディングプロジェクトと位置付ける「交流・文教ゾーン整備」の内、最初の具体化案件として取り掛かっているもの。過年度に整備基本構想策定業務を、サンワコン滋賀支店(守山市)に、基本計画策定業務を、丸山建築事務所(大津市)にそれぞれ委託している。
コンパクトシティ化構想は、「子どもと暮らす喜びを実感できるまちづくり」を基本コンセプトに、「利便性が高く多様な交流を育む中心核」「地域コミュニティの維持・活性化」「中心核と地域コミュニティのネットワーク」の3つの柱を中心に各種整備を図っていくもの。同事業を含むリーディングプロジェクトと位置付ける「交流・文教ゾーン」は、「利便性が高く多様な交流を育む中心核」に含まれる施策で、「交流・文教ゾーン」以外にも、飲食店・カフェ・特産物販売・ホームセンター・民間医療施設・学習塾・金融機関等を設置する「複合ゾーン」、戸建て住宅や集合住宅を設置していく「居住ゾーン」などの事業を今後展開していく。
「地域コミュニティの維持・活性化」は、若い世代の定住と高齢者が安心して暮らせる地域づくりを図り、持続可能な自治組織を形成していくもので、住宅地の確保だけでなく働く場の創出なども視野に入れ活性化を目指す。「中心核と地域コミュニティのネットワーク」は、中心核と地域を結ぶ道路ネットワーク整備として、安全な歩道整備や適正な道路・橋梁の維持管理を進めていく。
提供:滋賀産業新聞