市原市は「地籍調査事業推進基本方針」の素案を取りまとめた。343・19km2を調査対象とし、「2項委託型(包括委託)」で事業を進めていく。市街化区域における事業費(委託費)は▽調査面積0・5km2=7600万円(うち市負担額2879万円)▽調査面積1km2=1億5200万円(同5098万円)▽調査面積1・5km2=2億2800万円(同7313万円)▽調査面積2km2=3億400万円(同9529万円)▽調査面積3km2=4億5600万円(同1億3963万円)――と試算している。
市では、1963〜74年に地籍調査を行ったが、75年以降休止している。
調査対象は、市域368・16km2のうち、国・県から認証を受けた調査済み区域6・43km2、土地区画整理事業・土地改良事業などにより測量・調査等を実施した国土調査法第19条第5項の指定区域14・78km2、同指定予定区域0・98km2、公有水面・人工水面2・78km2を除く343・19km2。このうち10・89km2は、地籍調査に着手したものの、認証手続きや登記を完了しておらず、未完了となっている。
課題として、調査対象面積が県内市町村で最も広く、事業の完了までに相当の期間を要することが想定されるほか、世界測地系座標への移行の遅れや道路台帳システム(GIS)との連携を挙げている。
そこで、駅勢圏活性化検討エリア・インターチェンジ周辺開発誘導エリア・DID地区などのまちづくり計画・公共事業に関する優先条件や、災害想定区域に関する優先条件を定量的評価とし、それらに勘案されていない定性的要素を踏まえて総合的に評価し、優先して調査を行う区域を設定する。
同区域における地籍調査の実施に当たっては、総合計画の期間に合わせた事業計画を策定し、新たな国土調査事業十箇年計画が示された場合には、内容を踏まえた見直しを図る。
第1次事業計画については、現行の総合計画の期間に合わせて2023年度から26年度までとし、4年間で事業完了が見込める一定の区域をモデルケースとして選定する。
また▽公共事業における測地系の義務化=市の公共事業に関する測量計画の事前協議制度の確立など▽民間事業における測地系の標準化を踏まえた要請=林地開発および特定事業等の民間開発に係る関係機関への座標系の標準化を踏まえた要請など▽19条5項指定の活用=国の補助制度に合わせた間接補助(市負担3分の1)の補助金交付要網の制定▽公共基準点の整備拡充=現在の公共基準点を補完する3級・4級基準点の設置など▽道路台帳システム(GIS)との連携=現行システムの改築および運用など――に取り組む。
実施方式については「直営型」「外注型」「2項委託型」を比較検討し、効率的かつ経済的な「2項委託型」を採用することとした。
「2項委託型」では、国土調査法第10条第2項の規定に基づき、国土交通省令で定める要件に該当する法人に対し、地籍調査で実施する作業を包括的に委託し、受託した法人が主体的に地籍調査を行う。
なお、市内在住者・在勤者・通学者などに対する素案のパブリックコメントを8月2日まで実施している。